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トヨタ「クラウン」の憂鬱! 大胆チェンジに踏み切った3つの理由!!

トヨタ自動車の看板車種「クラウン」。トヨタのみならず、日本を代表する高級セダンだ。個人向けだけでなく社用車や個人タクシーなど法人向けでも広く使用され、社会的な成功者が乗る車と認知されている。
だが、当のトヨタからは、クラウンの存在や位置づけについて静かな苦悩ぶりがうかがえる。
トヨタは12月25日、「クラウン」を5年ぶりにフルモデルチェンジ(全面改良)し、販売を開始した。価格は353万~543万円。月間販売台数は4000台を目指している。
14代目に生まれ変わった新型クラウン。今回のモデルチェンジで大きな話題を呼んでいるのが、クルマの顔ともいえるフロントグリル部のデザインが大きく変更されたことだ。フォーマルスタイルの「ロイヤル」シリーズ、スポーティなスタイルの「アスリート」シリーズともに、従来よりも“動的”なデザインが採用された。
「トヨタも、クラウンも変わらなければならない」
「日本の自動車市場は新車を出しさえすれば乗り換えてくれる時代は過ぎた。本当に欲しいと思うクルマを作らないと買ってもらえない。あえてクラウンの保守的なイメージを覆すデザインを採用した。日本の自動車産業が置かれた厳しい状況を乗り越えるためには、トヨタも、クラウンも変わらなければいけない」。同日、東京・渋谷の渋谷ヒカリエで発表会に臨んだ豊田章男社長は強調した。
クラウンといえば、日本の高級セダンの代名詞。「保守」の伝統を背負うだけに大胆なデザイン変更にはリスクも伴うが、トヨタがここまで「攻め」の姿勢を打ち出さなければならないワケは、クラウンが長期的な低落傾向から抜け出せないからだ。

クラウンの歴史は日本経済の縮図でもある。栄華を極めたのはバブル経済の絶頂からほどない1990年。年間販売台数は20万台を超えた。ところが、その後は低落傾向をたどっている。モデルチェンジのたびに少し盛り返しても、長期的なトレンドでみれば販売台数は右肩下がり。今年の販売台数は3万台前後と、ピークから8割以上も減少しているのだ。
理由は大きく3つある。
消費者行動が大きく変化
まずは「セダン離れ」だ。セダンとは、ボンネットとトランクを持つ5人乗りのクルマ。昭和の時代までは、乗用車といえばどれもこれもセダンだった。消費者は排気量と価格に応じて、自分に見合う車種を選んでいた。その頂点に位置していたのがクラウンだった。
ところが平成に入ると時代は一変。ミニバンやコンパクトカー、SUV(スポーツ多目的車)、ハイブリッド車(HV)など車種の 選択肢が広がり、社会的に成功を収めたからといって高級セダンを買い求めるという消費行動パターンにならなくなった。
2つ目は往年のブランドが通用しにくくなったことだ。つい今月、日産自動車が中級セダン「シルフィ」のモデルチェンジを機に「ブルーバード」の車名を外したのは記憶に新しい。日産は「セドリック/グロリア」で知られた高級セダンブランドを「フーガ」に一新。トヨタ自身も「コロナ」や「カリーナ」といったかつてのセダンの代名詞を廃止している。
最後の理由は、クラウンそのものの位置づけにある。運転手付きで乗る「センチュリー」を除き、かつてのクラウンは個人で運転するクルマとしては、トヨタの最高級グレードだった。ところが、バブル絶頂期に「セルシオ」が登場。その後、トヨタは高級車ブランド「レクサス」を立ち上げ、ドライバーカーの最高級グレードは事実上、セルシオ後継の「LS」が担っている。
そして日系自動車メーカーにとって、高級車のライバルは同じ日系ではない。「メルセデスベンツ」「BMW」「アウディ」など欧州系を中心とした輸入車勢である。かつては電装系など品質面で日本車に劣った輸入車も、近年は大幅にレベルを上げている。トヨタにとって「トヨタブランドの最高級車はクラウン」という位置づけは変わらなくても、事実上は高級車の代表車種も、輸入車勢と戦うのも、もはやレクサスなのである。
狙うは「ゼロ クラウン」の再来か
そのクラウンが、息を吹き返した時期がある。前々回の03年に全面改良して登場した12代目だ。それまでの重厚なデザインから一新「ゼロ クラウン」の名称で久々のヒットとなった。一方、前回08年のモデルチェンジでは比較的おとなしいデザイン変更にとどめたこともあってモデルチェンジ効果が薄く、販売成績も振るわなかった。
今回はこうした前回の反省も込めて大きなデザイン変更に踏み切った。「社内でも反対意見は多かったが、このデザインも見慣れれば普通。かえって他のデザインが古くさく見えるようになる」と山本卓・チーフエンジニアは自信を見せる。
デザインだけでなく、エンジン、トランスミッションも一新した。今回は、後輪駆動大型車向けに専用開発した排気量2.5リットル直列4気筒ハイブリッドエンジンを搭載。ハイブリッドエンジンをプレミアとしての位置づけではなく、ガソリンエンジン搭載車と並んで通常のラインナップの中に位置づけた。新型ハイブリッドエンジンは従来のガソリン3リットルV型6気筒エンジン並みの走行性能と静粛性を実現しながら、燃費の向上と、コストダウンを実現した。
従来、大型クラスのハイブリッドエンジンは燃費など経済性向上よりも、走行性能の向上に重きを置いたいわば贅沢品という位置づけだった。しかし今回のハイブリッドエンジンは、中大型車に求められる走行性能を維持しながらも、経済性向上を実現したエンジンとなっており、今後、同クラスのさまざまな車種に展開され、トヨタのハイブリッド戦略の中軸を担うことになりそうだ。
クラウンの既存顧客層は50~60歳代の男性が中心で、新型クラウンも基本的には同様の傾向となるだろう。ただ、これまでの先行受注分1万台強のうち、6割が「アスリート」シリーズで、またエンジンタイプではハイブリッドが6割を占めるなど、こてこての保守系クラウン支持層の好みとはやや違ったような販売傾向も示している。
ピンクで女性ウケを狙う?
「高級車」ゆえに何でも付いている代わりに価格も高く、販売の“入り口”で顧客を絞り込みすぎていたという反省から、安全装備などを省いて価格を350万円台に設定したベースグレードも設定し、呼び水効果を狙う。CM製作をきっかけにピンク色のクラウンの発売も決め、「女性も堂々とかっこよく乗れる色も整ってきた」と豊田社長は自信を込める。
ピンクのクラウンが女性にウケるかどうかは不明だが、かつて「ゼロ クラウン」で見せた挽回をなぞろうとする14代目。長く続くブランドには固定ファンもいるため、守りも必要だが、あえて「攻め」に出た大胆なデザイン変更は、「クラウン」というビッグネームですら、簡単には通用しにくくなったトヨタの憂鬱を象徴しているようである。
(東洋経済)
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