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「消臭ポット」のエステートップが1年でクビ!? 新社長はヴィトン出身!!

家庭用芳香剤や防虫剤のトップメーカー、エステーの名物会長、鈴木喬氏(78)が1月に書いた本のタイトルは『社長は少しバカがいい。』(WAVE出版)。実に刺激的だ。「社長は社長をやれ!」「理論家で成功したヤツはいない。ドシッとした腹をつくれ!」「反省するな。悩むよりホラを吹け。ホラからイノベーションは生まれる!」など、鈴木節が随所に散りばめられている。
「ウチの今年1番の新商品は社長」。これも鈴木語録に付け加えてよいだろう。12年4月26日に行われた決算発表の席上での発言だ。
鈴木氏が「新製品」と称したのは、代表執行役社長の米田幸正氏(62)。鈴木会長が自らスカウトしてきた新兵器(?)で、「米田が利益を出してくれる」と期待をかけていた。エステーの12年3月期の連結経常利益は前期比45.6%減の8億4100万円に落ち込んだ。13年3月期は、同78.4%増の15億円にV字回復するとの期待が込められていたのだ。
そんな期待を持った人事とは裏腹に、エステーは1月31日、トップ交代を発表した。鈴木貴子取締役兼執行役(50)が4月1日付で代表取締役社長に昇格、米田社長は退任する。米田氏は、わずか1年でクビとなった。同社いわく、1月上旬に「米田氏から辞意を告げられた」という。米田氏は、新商品として機能しなかったのだろうか?
13年3月期の業績は売上高が前期比3.6%増の480億円、営業利益は同25.6%増の22億円、経常利益は同78.4%増の15億円の見込み。V字回復を果たし、米田氏は社長の仕事をしっかりやり遂げている。
それではなぜ1年でお役御免になったのか。「社長は少しバカがいい」という鈴木氏の社長の基準に当てはまらず、理論家すぎたのだろうか?
米田氏は、東証1部上場のエステーを含めて、上場企業3社の社長を経験するという異色のキャリアの持ち主だ。サラリーマンとして実にユニークである。
76年3月、北九州市立大学外国語学部を卒業し、安宅産業(現・伊藤忠商事)に入社。語学力を買われて自動車製造のメッカ、米デトロイトに駐在。いすゞ自動車と米ゼネラル・モーターズ(GM)の資本提携という大プロジェクトの手足となって働いた。
02年1月、伊藤忠を退職。同年2月、東証1部上場のドラッグストア、ハックキミサワ(03年8月にCFSコーポレーションに商号変更)に転職。ハックイシダなど3社が合併してできた会社の社長室長にオーナーの石田健二氏からスカウトされた。03年5月に、社長に就任。社長時代はイオン問題に忙殺されたといってよい。
イオンは、小売業に素人の米田氏を社長に起用することに異議を唱えた。だが、石田氏は「息子を社長にするまでのショートリリーフに適任と判断した」(関係者)ようで、イオンの反対を押し切った。
この1年半後に、石田氏はイオンとの資本業務提携の破棄を表明した。しかし、イオンの巻き返しで06年1月、イコールパートナーとしてイオンとの提携を継続することになる。当然、イオンとの関係はギクシャクした。米田氏は07年2月、社長を辞任した。
会長兼社長に復帰した石田氏は、同業のアインファーマシーズとの経営統合を密かに進めた。筆頭株主のイオンは、これに激怒。委任状争奪戦の末、08年1月の臨時株主総会で統合案を否決。イオンはCFSを力でねじ伏せ、子会社に組み入れた。
CFSを去った米田氏は07年5月、哺乳瓶などベビー用品メーカーのピジョンに社長付海外担当顧問として入社。1年後に常務に昇格したが、ここも、すぐに辞める。ピジョンは今では中国で売れに売れている哺乳瓶のメーカーとなり、絶好調だ。
08年12月、東証1部上場のドラッグストア、スギホールディングス(HD)に顧問として入社。翌09年3月、事業子会社、スギ薬局の社長となり、5月には持ち株会社、スギHDの社長に就任した。ライバル会社、CFSの元社長をトップに据えた人事に業界は驚いた。
創業者の杉浦広一会長は「CFSは、3つの会社が合併してできた会社。(経営のカジ取りは)大変だったと思う。そういう厳しいところでやった分は、差し引いて考えてやらなければならない」と、米田氏を招聘した理由を述べた。
だが2年後の11年3月、スギ薬局の顧問に退く。エステーに入ったのは同年10月(顧問)、12年4月にエステーの代表取締役社長になった。エステーも1年で去る。上場会社の社長の椅子に3回座ったが、いずれも短期間のうちにクビになった。3回とも米田氏の能力を買ったのはワンマン経営者だった。しかし、大企業で育った米田氏は、企業風土の違いをひしひしと感じたことだろう。
エステーの鈴木会長も、文字通りワンマン経営者だ。1935年、東京で日用品の卸をしていた鈴木千蔵氏(エステー化学工業初代社長)の4男として生まれた。エステー化学工業所(エステーの前身)の創業者である薬剤師の鈴木誠一氏の実弟である。東京都立新宿高校を経て、59年、一橋大学商学部を卒業。「兄貴にこき使われてはかなわない」と日本生命保険に入社。40代で法人営業部門を立ち上げ、年間1兆円を超えるトップ営業集団を率いて活躍した。
85年に兄からの依頼でエステー化学(現・エステー)に出向したことから、エステーに骨を埋めることになる。98年社長に就任。消臭剤「消臭ポット」「消臭力」などの新製品をヒットさせた。07年に社長を退任し会長に就いたが、リーマン・ショックによる景気の悪化で、売り上げが伸び悩んだため、09年に会長兼社長に復帰。そして米田氏を社長としてスカウトしてきた。
1年で期待の「新製品」を使い捨てにするあたり、実にワンマンである。
また、新社長になる鈴木貴子氏は、創業者の鈴木誠一氏の3女で、鈴木喬会長の姪に当たる。上智大学外国語学部を卒業。日産自動車に17年勤務したのち、LVJ(ルイ・ヴィトン・ジャパン)グループに転職。さらにシャルダンなど3社の代表取締役を歴任して2010年1月、エステーに入社。デザインを担当してきた。
エステーには鈴木新社長のほかに、大学教授の2人の女性取締役、生え抜きの1人の女性執行役がいる。
日本取引所グループとなった東京証券取引所は、女性が活躍する会社を選び「なでしこ銘柄」として公表する。エステーが「なでしこ銘柄」に選ばれるのは確実だ。社長交代は、ひょっとして「なでしこ銘柄」狙いだったのかもしれない。
(biz-journal.jp)
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