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複雑すぎるカリスマ、アマゾンCEO大解剖!!

怒濤の快進撃を続けるアマゾン。そのアマゾンを率いるCEO、ジェフ・ベゾスを一言で表現するならば、「カリスマ風を吹かさない、超人レベルのカリスマ」だろう。
ベゾスは比較的小柄で、動きも敏捷。いつも目がくるくると動き、時にびっくりするような高らかな声を上げて笑う。その外見は、ちょっと落ち着きのない男子学生のようで、大企業のCEOにありがちなカリスマ像とはほど遠い。
だが、よくよく見てみると、彼がアマゾンでやってきたことはインターネットを変え、産業を変え、消費者をすっかり変えてしまった。われわれの生活にあまりに密着してその隅々にまで入り込んでいるので、もはや客観的に見るのが難しくなっているほどだが、ベゾスとアマゾンは社会習慣や企業と顧客との関係のあり方も変えている。その意味では、彼以上のカリスマはいないのだ。
プレゼンに時間を費やす時代は終わった
私見を述べると、ベゾスがカリスマ風を吹かせないのは、そんな無駄なことに時間を使いたくないからだろうと思われる。ベゾスは徹底的な現実主義で、データ人間とも言われる。人を魅惑したり、世間にアピールしたりしている時間があったら、売り上げのデータ、マージンのデータ、顧客のフィードバック、配送センターの効率性といったことに目を向けていたいのだ。
ベゾスもあるところで、次のように語っている。「これまでのビジネスでは、70%の時間を使ってこんなことをやると大声で訴え、それを実行するために残りの30%を充ててきた。しかし時代は変わった。今はもう逆なんだ」。
つまり、客の前に、実際の成果を出してこそ、ビジネスの存在意義があるということである。
さて、そのアマゾンは、顧客に安価に商品を届けることで定評がある。人々がアマゾンを利用するのは、便利なことに加えて、ほかのどこよりも欲しいものが”安く”手に入るからである。
「顧客第一」。それがアマゾンの合言葉。そしてそのサービスは、今や世界各国に拡大し、総売上は610億ドル(2012年)にも上っている。1997年のIPO以来、株価は15倍以上値上がりした。世界中がアマゾンを利用しているのである。
「顧客第一」を実現するために、アマゾンでは不可能とも思えるようなことを次々と成し遂げてきた。
安価な価格は流通効率化の成果だが、そのためにテクノロジーを駆使し、顧客の場所、商品の場所、配送センターの場所を最短で結び付ける方法を刻々とはじき出す。配送センター内部では、商品と作業員が無駄のないように配置され、ロボットも導入して、最速で発送が行われるようにプログラムしている。配送業者が仕分けに時間をかけなくてすむよう、アマゾン側がパッケージをあらかじめ仕分けする。
顧客との”エコシステム”こそが重要
時には、赤字覚悟で売ることもある。当初、売り出した書籍、その後に手掛けた電子書籍、そしてそれを読むための端末であるキンドルやタブレットコンピュータのキンドルファイアがそうだった。
だが、あるところが赤字でも、その商品が人気を生み、たくさん売れるようになり、その結果、薄利であっても多売することによって最終的に儲けが出る。1対1対応で考えるのではなく、アマゾンと顧客のもっと大きな”エコシステム”がそこにできることのほうが重要なのだ。
この薄利ビジネスは、アマゾンの大きな特徴で、批判もある。だが、これをただの子賢しい商人根性ととらえると、アマゾンの核心を見誤ることになる。アマゾンが薄利ビジネスを通して顧客第一を徹底させている理由は、そこにこそイノベーションの種があるからなのだ。
「われわれは、まず顧客が何を欲しているのかを見極めて、そこから逆算する」とベゾスも説明しているが、要は顧客の希望を叶えようと工夫をすることによって、新しい方法と商機を生み出すのに成功しているのだ。
自分たちの都合を優先したり、既存のやり方を踏襲したりするだけでは、それは不可能だったろう。その意味では、ベゾスは顧客を自分たちの”発明の道具”として使っていると言える。「朝のシャワーの中で、ほかの企業ならば競合をどう打ち負かしてやろうかと考える。けれどもアマゾンがシャワーの中で考えるのは、顧客のこと」とベゾスは語っている。
もちろん、薄利ビジネスは楽ではない。ベゾスは最近も「もっと大きなマージンのビジネスをやっていればどんなに楽かと、毎朝思いますよ」と話していた。
ただ、時代の空気は確かにアマゾン側にくみしているだろう。これまではマージンが高いことを自慢し、自分たちの優雅さを喧伝するようなビジネスがたくさんあったが、昨今の景気後退を経て、人々の企業を見る目は変わった。
企業がどれだけ無駄なく運営され、消費者にいいものを安く提供できるのかを、人々はもっと鋭い目で見ているのだ。そんな努力をしない企業に、無駄なカネは払いたくない。
重役でも、座席はエコノミークラス
ベゾスは、社内でも徹底した効率主義と倹約主義を通している。日本語の「ムダ」という言葉まで使っているそうだ。そして「ムダ」を排除するために、あらゆるディテールに目を配る。社員の出張も、重役レベルですらエコノミークラスだ。シリコンバレー企業のような社員への手厚い優遇制度はなく、アマゾンの業績によって利するストックオプションのみ。
ミーティングではデータを重視し、データに基づいて発言することを求める。そして、データが示すどんな細かな兆候も見逃さない。ベゾス自らが顧客のフィードバックに目を通していることもよくあるという。
また、戦略を立てる際には、管理職に6ページの筋書きのある文章を要求する。あいまいな希望ではなく、しっかりとした思考と見通しがそこにあるかどうかを確認するためだ。新しく雇い入れる社員にも、具体的な行動プランを書かせるという。
そうしたキチキチとしたやり方を求めながらも、ベゾスは基本的にはビジョナリーである。一方では厳しいマイクロ・マネジャー、もう一方では未来を見通す天才。そんな異質なものが一人の人間の中に共存していることが興味深いのだが、アマゾンのこれまでの発展を振り返ると、そのふたつがあってこそ成り立ってきたものと言える。
最初は、本というたったひとつの商品から始めたが、現在は電気製品、日用品、ファッション、ジュエリー、そして自社製タブレットまで、取り扱う商品は数十のカテゴリーに及んでいる。加えて、映画や音楽のエンターテインメント・コンテンツをインターネット経由で提供したり、企業向けのクラウドサービスにも進出したりている。
もはや1994年の創設当初のオンライン書店からは考えられないような、複雑な業態だ。ワンクリックで支払いができるとか、商品を買ったユーザーの評価を掲載するとか、第三者の商店がアマゾン上で店を開くといった前代未聞のことも、ここで起こった。すべて、ベゾスのビジョンと超先端のテクノロジーの力を組み合わせた結果だ。
新しい実験は、ピザ2つ分のチームで
そして、イノベーションのためにはリスクをいとわない。彼は、社員がこれまで経験のない分野でも、ゲリラ的に道を見いだしていくことを歓迎しているという。
新しい実験に乗り出す時は、「ピザ2つ分」サイズのチームを作り、少人数で集中させる。「ピザ2つ分」というのは、アメリカ人の食欲を持ってすれば5、6人というところだろう。硬直した組織構造を離れて、脱中心的な方法でイノベーションは起こるという考えだ。アマゾンは現在、スマートフォンを準備しているといううわさもある。
ベゾスは、1964年にティーンエージャーの両親の元に生まれ、母がその後再婚した継父のベゾス名を受け継いだ。小さい頃から多才で、3歳の頃には、おりのような乳児用寝台に飽きて、自分で解体し平らなベッドに改造してしまったという。若い頃、毎夏を過ごした祖父の農場では、工夫を凝らして何でも自分でやることを覚えた。発明心と粘り強さは、このときの産物だ。
プリンストン大学で物理学とコンピュータ科学を学び、卒業後はスタートアップや金融関連企業に務めた。ニューヨークのヘッジファンドで副社長にまで上り詰めていたが、インターネットが発展していくのに魅了されて辞職。妻と2人で車で西海岸へ向かい、その間にアマゾンのビジネスプランを考えたというのは、有名な話だ。ちなみに妻は職場の同僚だが、ベゾスは「発展途上国で投獄されても、ちゃんと救い出してくれるような、臨機の才のある女性」を求めていたという。
その後のアマゾンの発展はご存知のとおり。ドットコムバブルの崩壊も景気後退もくぐり抜け、今や人々の生活のなくてはならない伴侶になっている。
インターネットの商人であって超レベルのテクノロジーおたく。そしてテクノロジーの未来を見通すビジョナリーでありながら、細部にこだわる経営者。ジェフ・ベゾスは、これまでのパターンにあてはまらない複雑なカリスマなのである。
(東洋経済)
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