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化粧品デフレに挑む、“美しすぎる”リーダー ポーラの高級化粧品は、なぜ売れるのか!!

日本の化粧品業界が、かつてない激戦の時代を迎えている。大手化粧品メーカーの独壇場だった中価格帯のジャンルに、新規メーカーが続々と参入。最大手の資生堂ですら、国内不振から抜け出せない。その中にあって唯一、気を吐く大手がある。ポーラ・オルビスホールディングスだ。
ポーラ好調のけん引役の1つが、最高峰ブランド「B.A」。男性読者にはピンとこないかもしれないが、国内屈指のアンチエイジング化粧品ブランドだ。
1985年の販売開始から右肩上がりに売り上げを伸ばし、いまや年間300億円を稼ぐまでになった。現在ではメインの商品群に加え、アンチエイジングのエントリー向けや、男性向けなど多角的に展開している。
価格は洗顔料、化粧水などの基礎化粧品でも1万円超。一部の美容液では7万円以上する商品もあり、ポーラの手掛ける商材の中でも最高級のラインだ。それでも、デフレ下の現在も愛用者を拡大し続けている。
昨年11月、このB.Aのブランドマネージャーに就任したのが砂金美和氏(39歳)だ。6名の開発チームメンバーを率い、市場調査、企画立案から、商品を形に落とし込むところまでを担う。09年のポーラ入社以来一貫してB.Aの開発に携わる砂金氏。常に顧客のハートをつかむための、さまざまな「仕掛け」をちりばめてきた。
トレンドの逆を攻める、大勝負
BAが躍進する、起爆剤の1つとなったのが、10年に行ったフルラインナップ化だ。それまでも展開していた美容クリームのリニューアルを皮切りに、翌年にはクレンジング、洗顔料、化粧水、ミルクの新商品を一気に投入。一通りのスキンケアをカバーできるブランドになった。
だが、当時はアットコスメといった、化粧品の口コミサイトが台頭し始めた頃。これまで多くの消費者が洗顔料、化粧水、乳液など複数商品を1ブランドで固めていたのが、それぞれのカテゴリーで評判のいいブランドを組み合わせて使うように変化してきていた。このタイミングでのフルラインナップ化は、時代の流れと逆行する大勝負だった。
また社内では、複数商品を一気に出すことによる翌年の売り上げ反動減を懸念する声もあがったが、開発チームで押し切った。「一度成功したら、止まらずにもっと上を目指さなければならない。そうやって自分たちを追い込む、タフなチームなんです」。現に、B.Aは一度も前年の実績を割ることなく、成長し続けている。
勝因の一つは、内外に向けた商品コンセプトを綿密に作り込んだことだ。こだわって用いたキーワードは、“ビッグバン”。
「お客様には、まるで新たなギャラクシーが生まれ出てくるような、肌の新生感を感じていただきたい。
それだけでなくて、商品を売る側である百貨店の美容部員や訪販のポーラレディには、この商品でビッグバンを起こすんだ!と意気込んでほしい。そんな思いがこもっています」。
チーム総出で多くの現場に足を運んでは、新商品のコンセプトやスペックについて全国の販売員に丁寧に語りかけたという。
「寝言もいい加減にしろ」と言われても、引かない
王道中の王道とも言えるスキンケアブランドB.Aだが、これまで市場に出回っていない新ジャンルの商品にも挑戦する。砂金氏がマネージャーに就任した後の11年10月、肌に入れ込む泡状マスク「B.A ザ マスク」を発売した。
普通マスクといえば、シート状や泡状のものを30分程度、顔に張り付け、その後は剥がすか洗い流すかするもの。「でも、剥がしたシートもまだけっこうぬれているし、もったいないと思いませんか? それなら剥がさないで、全部(肌に)入れちゃえばいいんじゃないかと、はたと気づいたんです」。
思いついたはいいが、大変なのはその先だった。実際に商品化を目指す過程では、「研究員には『寝言もいい加減にしろ』と言われたこともありました。でも、こっちも『うんと言うまで帰らない』と粘りました(笑)」。
侃々諤々(かんかんがくがく)の議論の末に完成した「B.A ザ マスク」は、主要3大美容雑誌のベストコスメ賞のマスク部門を総なめにする大ヒットを記録。後追いで多くのメーカーが「肌に入れ込むマスク」を投入している。
高級化粧品は王道の価値を大切にしながらも、常に革新的なブランドでなければならないと砂金氏は語る。「特にマスクのような日常ケアでないものについては、他社にあるものをうちから出す必要はないと思っています」。
4度の転職は、自分の限界を超えるため
実は文系出身者の多い化粧品の商品開発だが、砂金氏はいわゆる“リケジョ”だ。明治大学農学部ではバイオテクノロジーを専攻した。新卒で入社したのは、理系卒の女性限定で、商品企画人員を募集していたカネボウ化粧品だった。
「どこに配置されるかが、ちゃんとわかっているのが安心でした。美容やファッションは好きでしたし、いわゆる「白衣仕事」よりもきらきらした仕事をしてみたいな、と思って」。
だが、砂金氏はわずか2年半で次のキャリアへ進む決意をする。
当時、カネボウは業績悪化の一途をたどっており、04年には産業再生機構の支援を受ける状況に陥った。
加えて流通サイドは、GMSやドラッグストアの出店ラッシュの時代。化粧品に適用されていた再販制度もいよいよ97年に撤廃され、業界に低価格化の波が押し寄せた。
「私が担当していた中価格帯の化粧品ブランドも、もれなくディスカウントの対象になって。ものづくりにおいてコスト意識は大事だけど、もっと価値ある商品を作れる仕事をしたい。若いながらにそんなことを思い、アルビオンに転職しました」。
2番目の職場となったアルビオンは、化粧品専門店、百貨店を中心に高級化粧品を展開する老舗メーカー。砂金氏は商品開発の専任として約7年間働いた。念願の高級品開発に携わる日々だったが、新たな問題意識が芽生える。
「だんだん、(仕事が)こなれてきちゃうんですよ。こういう段階を踏めばちゃんとローンチできるな、という具合に。思考に広がりがなくなってきたと感じました」。
美容に関する幅広い発想に触れるにはどうしたらいいか。そう考えたとき、目を付けたのは、アパレルやトイレタリーなどの分野に強みを持つコンサル、伊藤忠ファッションシステムだった。
砂金氏は化粧品メーカーに対するコンサルティング業務を担い、市場レポートの作成やブランド立ち上げ時のコンセプト作りなどを、外部企業と一緒になって行った。
「さまざまな企業の開発に対するスタンスを、一歩引いたところから眺めることで、自分の思考の幅を広げることができました」。
が、またも1年半という短期間で次のステップを見いだす。
「コンサルも楽しい仕事でしたが、ものづくりのラストまでかかわれないフラストレーションが大きかった。やっぱりもう一度メーカーに戻りたいと思って、一時アルビオンに戻った後、09年にポーラに」。
コンサル時代を経て、凝り固まった思考をほぐすことができただけでなく、ものづくり屋としての闘志に火が付いた砂金氏だった。
30代後半、やはりリーダーになりたい
ポーラを選んだのには、もうひとつ理由がある。「私自身30後半に差し掛かって、ずっと感度を高く持ってものを作れるわけではない。なので、次の世代の育成にも携わりたい、そういうリーダーになっていかなければと思いました」。
アルビオンでは開発のプロとして、年俸制契約で働いていたため、開発関連部署以外との交流はほとんどなかった。他方、ポーラには社員として入社。商品開発の領域にとどまらず、経営の視点を身につけられる現場に、砂金氏は身を置いている。
「お仕事をするうえで、大変なことは」――。定番の質問に対しては、「あんまり、ありません」と予期せぬ答えが返ってきた。あまり、くよくよ悩んだりするたちではないのだろうか。
「これと決めたら後は早いのかもかもしれません。学生時代には取捨選択の機会がなかったですが、社会に出たら、やりたいことを全部は追えなくなって。転職も重ねて、だんだん判断スピードが上がりました」。
忙しい方が余計なことを考えなくていいですよね、と語る彼女だが、10時の出社、19時の退社という生活ペースは崩さない。休日出勤もほとんどしない。インタビューに同席していた元商品開発部員も「19時退社なんてできるの!」と驚愕した。
かつては連日、深夜までパソコンとにらめっこをする女性社員も珍しくなかった開発チーム。砂金氏は「情報の電子化が進んで、前ほど時間がかからなくなっただけですよ」とケロリとしているが、実はその裏に、「デスクにいたってしょうがない」という強い思いがある。
長時間デスクにいるより、ピカソを見よう
「iPhoneひとつ持っていれば、資料だって何だって外で見られる。だから常に動き回って、いろんなものを見ながらアイデアを考えた方が効率的ですよね」。
チームで連れだって“市場調査”に出掛けることもしばしば。美意識を磨くためには美術館に出掛け、「うーん、ピカソはよくわからないな」などと、他愛のない議論を交わす。
これがひいては、ブランド自体のイメージやパッケージのデザインを議論する際の材料になっていくという。「考えをストレートに言い表そうとすると、沈黙が増えてしまうけど、たとえ話で進めていくと意外とうまくいく。
『あのとき、あの美術館で見た、あれ風に考えるとさ・・・』みたいな感じです。皆で体験を共有するのは、そういう意味でものすごく大事」。
「B.AのライバルはB.A。過去のB.Aに勝つ仕事をしていこうと常に言いながら、スタッフみんなで突き進んでいます」。チームリーダとしてのキャリアは、まだまだ歩み始めたばかり。それでも、次の世代を育成するという砂金氏の新たなミッションは、すでに実を結び始めているようだ。
(東洋経済)
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