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ソーシャルゲーム、開発会社の黄昏!!

2007年前後に勃興し、“日の出の勢い”で市場が拡大してきたソーシャルゲーム。プラットフォームの「モバゲー」(ディー・エヌ・エー=DeNA)と「グリー」(グリー)向けにゲームを提供する開発会社も相次いで株式上場を果たし、高株価を満喫してきた。
中でも注目されていた会社の一つが、KLab(クラブ)だ。元々は銀行などを顧客としたシステムの受託開発が主力だったが、09年12月に提供を開始したソーシャルゲーム「恋してキャバ嬢」が大ヒット。11年9月に東証マザーズへ上場し、12年5月には当時史上最短期間で東証一部への鞍替えを果たした。
だが、ソーシャルゲーム会社をめぐる状況は、変わりつつある。
新作ゲームの投入が大幅に遅延
KLabが4月12日に発表した第2四半期(12年9月~13年2月)決算は、売上高71億円(前期比6.8%減)、営業赤字8.8億円(前期は21億円の営業黒字)となった。従来の会社計画を下回り、通期業績の見通しを大幅に下方修正した(同社は今年度16カ月変則決算)。
修正された通期見通しは、売上高229億円、営業赤字11億円。従来比で売上高101億円、営業損益61億円の大幅な減額だ。前半の先行投資を後半で一気に刈り取るという従来計画には、もともと市場関係者の間で懐疑的な見方がされていたが、12日引け後の発表を受け、週明け15日のKLab株には失望売りが相次ぎ、株価はストップ安となった。翌16日の株価も、一時は年初来安値を更新した。
「非常に芳しくない決算となった」。決算発表同日に都内で開かれた説明会で、Klabの創業社長・真田哲弥氏は、沈痛な表情で口を開いた。半年前に「計画を上回る可能性も十分にある」と意気込んでいた期初の決算説明会とは打って変わって、声色はかなりトーンダウンしていた。
要因は、新作ゲームの投入遅延にある。第2四半期まで計40本の新作を投入する予定だったが、計画通りに投入できた作品は23本にとどまった。そのうち投入した作品も、13本は計画を遅延していた。真田氏はその理由を「スケジュール管理の面でマネジメントがルーズだった。組織の肥大化により、コミュニケーションがうまく取れていなかった」と話した。
新作ゲームの大量投入に当たり、Klabは今年度、積極的に従業員を採用している。第2四半期末時点のグループ全体従業員数は943人。前年同時期に比べ、約3.6倍増えた。期初時点では今年度末に1270人まで増員する計画を立てており、現在もその計画は変えていない。
組織の肥大化に伴う開発スケジュールの乱れという点では、今年度上場来初の営業減益となる見込みのグリーも同じだ(関連記事はこちら「グリーとDeNA、実らない海外投資」)。グリーは第2四半期(12年7~12月期)末時点のグループ全体従業員数が2065人と、前年同時期に比べ、倍以上規模が膨らんでいる。同社は今年初め、自主設定したはずの未成年に対する課金額の上限が、守られていなかったことを発表している。
「新規参入」と、スマホ普及による「構造変化」が痛手
ソーシャルゲーム各社がこぞって従業員を積極採用する事情は、「競争激化」と「ネイティブアプリへの対応」だ。
ソーシャルゲーム市場拡大の起爆剤となったのが、プラットフォームのオープン化である。オープン化とは、これまでDeNA、グリーが自社のゲーム提供に限定していた「モバゲー」「グリー」のプラットフォームに外部開発会社の参入を認め、売り上げの一部を手数料として徴収する仕組みだ。
グリーが10年6月、DeNAが10年1月にオープン化を開始した当初は、開発会社も少なく、両社がともに潤っていた。ところが、現在プラットフォーム上に存在するゲームの数はおよそモバゲーが約2000タイトル、グリーが約1700タイトルに上る。ランキング上位のゲームも固定化しつつあり、開発会社同士の優勝劣敗が進んでいる。KLabはモバゲー向け主体に急成長してきたが、プラットフォーム内の競争激化で、存在感が薄れている面がある。
象徴的な事例が、人気漫画などを用いた有力版権タイトルの苦戦だ。一時期、開発会社は買い取った有力版権をソーシャルゲーム化し、グリーやモバゲー向けに投入すれば総じて成功していたが、もはやこうした方程式は通用しなくなっている。実際にKLabの「幽☆遊☆白書」や「スラムダンク」は、有力版権にもかかわらず、見込んだほどの業績を上げられていない。
もう一つの「ネイティブアプリ対応」とは、すなわち、スマートフォンへの対応だ。スマホ上でも従来型携帯電話と同じようにモバゲー、グリーを通じたブラウザゲームを遊べるが、ユーザーは「アップストア」(アップル)や「グーグルプレイ」(グーグル)といったアプリケーションストアから、一度アプリをダウンロードする必要がある。
開発費高騰の悩みも
開発会社にとっては、直接アップストアやグーグルプレイにゲームを提供できるという魅力がある一方で、「ネイティブアプリ」と呼ばれる端末内部のプロセッサーで演算処理をするゲームを作らなければならないため、従来のブラウザゲームと比べ、開発費が高騰するという悩みがある。真田社長は決算説明会の中で、「従来は1作品当たりの開発費は3000万~5000万円だったところ、今や億円単位が当たり前になっている」と漏らしている。
KLabはネイティブアプリへの対応は他の開発会社に比べても早かった。真田社長も「ネイティブアプリに対応しないことは、イノベーションのジレンマだ」と強く主張していたほどだ。
しかし、スマホ=ネイティブアプリが浸透する中で、ユーザーは「もしもしゲー」や「ポチポチゲー」と揶揄された単純なものではなく、純粋にゲームとして質の高いものを求めるようになっている。「パズル&ドラゴン」が大ヒットしているガンホー・オンライン・エンターテイメントが成功例だが、KLabも含めた多くの開発会社はまだ目立った成果を出せていないのが現状だ。
危ぶまれる財務内容
こうした環境下で、暗雲が漂うKlabだが、財務内容も危ぶまれている。
第2四半期末時点の現預金22.6億円に対し、短期借入金は34.4億円(前四半期比12.8億円増加)。会社は「昨年11月に発表した新株予約権の行使枠が残っており、合計20億円の資金調達ができる」(取締役経営管理部の中野誠二部長)とするが、目下の株価低迷から、「引き受け会社が新株予約権を行使しない可能性もある」(中野氏)という。
25.2億円まで減少した純資産は、今期修正計画の最終赤字9億円を計上すれば、さらに減少する見通しで、市場関係者の間では「追加で資本増強に踏み切るのでは」との観測も浮上している。期の後半にかけて仮に希望退職募集などによる特別損失を計上するとなれば、こうしたシナリオも現実味を帯びてくる。
KLabは、役員報酬の減額や外注費の削減でスリム化を図るほか、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」などの新作投入によって、挽回を図る算段だ。とはいえ、競争環境の劇的変化にすぐにキャッチアップすることは容易ではないだろう。「盛者必衰」として、このまま沈んでしまうのか。KLabが迎えている正念場は、ソーシャルゲーム業界全体の黄昏を象徴しているようでもある。
(東洋経済)
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