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近づくマイナス金利、ドラギ総裁も手詰まり?(2)

では、ECBが今後追加利下げを実施し、下限の預金金利をマイナスに引き下げた場合、貸出増加などの景気刺激につながる可能性はあるのだろうか。ECBが昨年7月に預金ファシリティ金利をゼロに引き下げた際(超過準備の付利を撤廃)、預金ファシリティの残高が急減した一方で、当座預金の残高が急増し、両者を合わせた金額はほとんど変わらなかった(図表2)。
つまり、付利撤廃で余剰資金が預金ファシリティから当座預金にそっくり移っただけで、実体経済に余剰資金が染み出した様子はない。この間の銀行貸出の推移をみても、貸出の減少ペースはむしろ加速している。資金需要そのものが低迷するなか、罰則金利を適用した場合も、同様に資金の置き場が変わったり、超過準備そのものを圧縮するインセンティブが働くに過ぎないだろう。
マイナス金利には副作用がある
そればかりか、銀行の超過準備に罰則金利を適用すれば、銀行の利益を圧迫する。この場合、銀行は貸出利ザヤの上乗せなどで利益の穴埋めをしようとし、却って貸出が減少する恐れがある。
加えて、ECBが将来的に資産買い入れなどの量的緩和策を導入しようと考えた場合(今のところ否定しており、技術的にも困難だが)、こうした政策措置の効果を阻害することにもなりかねない。なぜなら、民間銀行にとってみれば、投資利回りが期待できる金融資産を中銀に売却し、代わりに負の金利収益(罰則金利)を科される中銀預金を受け取るインセンティブは見当たらない。
こうした副作用の存在は、ECBも十分に認識している。それにもかかわらず、ドラギ総裁が5月の理事会でマイナスの預金金利にあえて前向きとも受け取れる発言をした狙いは何だったのだろうか。
”弾切れ”が近いことを市場に悟られるな!
今回の利下げを実施するに当たってECBが恐れたのは、マイナスの預金金利の実現へのハードルを上げてしまうことで、利下げ余地が乏しいとの印象を与え、ECBがもはや景気浮揚で有効な追加手段を持たないと市場参加者に受け止められることであったのではないだろうか。
利下げ後にコリドーは100bpsに縮小し、追加利下げを行うにはコリドーをさらに50bpsに縮小するか(上限金利が0.50%、主要政策金利が0.25%、下限金利がゼロ)、下限金利をマイナス(上限金利が0.75%、主要政策金利が0.25%、下限金利が▲0.25%)に引き下げる以外にない。これらはいづれもECBにとっては未開の領域だ。
一方、日本銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)、英イングランド銀行(BOE)など他国の中銀のように、国債などの資産購入という形で量的緩和を行うことは、財政ファイナンスを禁じられているECBには難しい。追加緩和への市場参加者の期待をつなぎ止めるために、ドラギ総裁は今回マイナスの預金金利を排除しないトーンの発言をした可能性がある。
このあたりはドラギ総裁が持ち前の市場との対話能力を発揮し、“弾切れ”への不安を封じ込めることにひとまず成功したわけだ。問題は今後も景気低迷が続き、ECBが掲げる年後半の景気回復シナリオが崩れた場合に、実際にマイナスの預金金利という副作用を伴いかねない政策措置に踏み切ることが出来るかだ。
市場の期待誘導を狙った言葉とは裏腹に、追加緩和に及び腰と受け止められれば、市場はECBの“手持ちカード”が少なくなってきたことを察知しよう。他方、実際に預金金利をマイナスに引き下げた場合にも、市場参加者の多くは目立った政策効果は期待できないと考えていることから、追加緩和への督促が始まる恐れがある。
景気浮揚面でのドラギ・マジック再燃はなるか
ECBは現在、利下げの効果を阻害している“市場の分断化”の改善を目指し、資産担保証券(ABS)を活用した中小企業への融資促進策の検討を開始している。ただ、新たな中小企業支援策が景気浮揚の即効薬となるかは疑わしい。欧州のABS市場は長らく休眠状態にあり、新制度の導入には実務・制度の両面で様々な障害がある。総裁はさまざまな政策選択肢を検討しているとするが、同時に検討はごく初期的な段階にあることを認めている。
ドラギ総裁は2011年11月の就任以来、期間3年の長期リファイナンスオペ(LTRO)で欧州の銀行の資金繰り危機を救い、金額の上限を設けない新たな国債購入策(OMT)でイタリア・スペインへの危機波及懸念、さらにはユーロの分裂・崩壊リスクを封じ込めることに成功してきた。
ドラギ総裁の果敢な行動と“言葉の力”で債務危機に対する過度な不安心理は後退した。しかし、今、市場が求めている景気浮揚の面では目を見張る成果を挙げることができずにいる。追加の利下げ余地が乏しくなるなか、ドラギ総裁の次の一手に注目が集まる。
(東洋経済)
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