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JINS、戦国時代のメガネ業界で独走のワケと課題 低価格とヒット商品連発の秘密!!

4月19日、メガネチェーン「JINS(ジンズ)」を展開するJIN(ジェイアイエヌ)が世界初と銘打ったドライブスルー型のメガネ店「JINSパワーモール前橋みなみ店」を、群馬県前橋市内の「べイシア前橋みなみパワーモール」内に開店した。目新しさも手伝ってか、連日盛況のようだ。
JINSといえば、このドライブスルー型メガネ店のような話題を次々と打ち出し、今やメディアで「メガネのイノベータ」「メガネ業界の風雲児」といわれる急成長中の新興メガネチェーン。JINの田中仁社長自身は「メガネ業界のユニクロ」を標榜している。
業績も絶好調だ。今年度(2013年8月期)中間決算である上期(12年9月-13年2月期)は、本業の儲けを示す営業利益が39億円と前年同期比3.8倍まで伸びた。今年度通期の営業利益は、前期比2.5倍の67億円を見込んでいる。
業績を牽引しているのは、同社が中心になって市場を開拓してきた機能性メガネだ。代表的なのが、目に負担をかけるとされる液晶画面のブルーライトをカットするパソコン使用者用メガネ「JINS PC」。11年9月発売からの累計販売が200万本を超えるヒット商品になっている。同月から発売した花粉症対策用メガネ「JINS 花粉Cut」(期間限定販売)も、13年は前年の4倍となる16万本を用意していたが、あっという間に売り切れてしまった。
今年度中間決算時点で売上高は前年同期比86%増の176億円、既存店売上高は同52%増と驚異的な伸びを見せている。パソコン用メガネも花粉症対策用メガネも、競合他社が同様の機能・コンセプト商品を投入、追随しているが、今のところ同社の独走を止められないでいる。機能性商品の製造小売りで急成長している姿は、かつてのユニクロを彷彿とさせる。
●メガネ業界戦国時代を招いた急激な市場縮小
JINSが急成長しているのは、メガネ業界の戦国時代状態が背景にある。戦国時代になったのは、すさまじい勢いで進行した市場縮小だ。96年に約6000億円あったメガネ市場は、09年に4000億円を割り込んだ。市場の3分の1が消失した格好だ。
この小さいパイをめぐり大手チェーンが覇権争いに突入、「メガネ業界の戦国時代」が現出している。
覇を競っているのは「眼鏡市場」のメガネトップ、「パリミキ」の三城HD、「メガネスーパー」のメガネスーパーなどの老舗グループと、JINS、「Zoff(ゾフ)」のインターメスティック、「owndays(オンデーズ)」のオンデーズから成る新興グループ(新興御三家)。これにネット通販専業のオーマイグラスィズ、高品質国産メガネ専門の999.9(フォーナインズ)などの「第三勢力」が絡んでいる。
メガネは従来、レンズとフレームの一式で3〜5万円が当たり前の世界。老舗グループは過去30年間、この安定した価格設定で儲け、業界に安住してきた。
この安住の地に乱入してきたのが新興御三家といえる。
Zoffが01年、韓国から仕入れた格安メガネを一式5250円、7350円、9450円の「3プライス制」で発売、一式3〜5万円を当然としていた業界に価格破壊を仕掛けたのが戦国時代の始まりだった。
これにJINSが一式5250円、8400円の「2プライス制」で追随、低価格競争に一気に火が付いた。加えて、両社の後を追ったオンデーズを含む新興御三家は、商品の企画から販売まで一気通貫で自社管理する、メガネ業界初の「製造小売り」業態でも共通していた。
これにより、来店客のニーズを吸い上げて商品企画に反映させ、ファッション性の高いメガネを店頭に並べる販促策を取った。その結果、利用者は一人でメガネを何本も持ち、その日の気分やコーディネートに合わせてメガネを掛ける「メガネのTPO」スタイルも普及した。
この新興御三家の中で一頭抜けしたのがJINSだった。老舗グループの反撃をいち早く封じたのが奏功した。
●価格の不透明さを解消
新興御三家攻勢の矢面に立っていた業界最大手のメガネトップは06年、「眼鏡市場」で「一式1万8000円でオプションのレンズ交換による追加料金ゼロ」の新価格を打ち出し、新興御三家が仕掛けた「格安メガネブーム」に水を掛けた。
新興御三家が仕掛けた格安メガネには、オプションの薄型非球面レンズに替えると追加料金が発生し、2万円を超えることもある「価格の不透明さ」があり、メガネトップはその弱点を徹底的に叩いたわけだ。結果、消費者の間で格安メガネに不信感が広がり、「明朗会計の老舗」に客が戻り始めた。
すると09年、JINSが先頭を切って、「フレーム、薄型非球面レンズ、ケースの3点セットで4990円」のメガネを発売、価格の不透明さを解消した。さらに、商品面でも老舗グループとの差別化に努め、同年9月に医療用素材「TR-90」を採用した超軽量フレーム「エア・フレーム」を発売、メガネ業界では珍しいヒット商品になった。
これを契機に、新興御三家の格安メガネに付きまとっていた「安かろう、悪かろう」のイメージが消えていったといえる。
●ユニクロ柳井社長の助言
JINSは今や新興御三家の旗頭となっているが、ここに来るまでの道が平坦だったわけではない。JINSを展開するJINは06年、大証ヘラクレス(現JASDAQ)に株式を上場したが、08、09年は2期連続で最終赤字に転落している。
同社の田中社長は、その理由を「株式上場で大金を手にしたら、それで成功者の気になってしまった。資金調達も容易になり、出店も安易にするようになった」と振り返る。
赤字転落の窮地からの脱却策を模索している08年12月、偶然出会ったのがユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長だった。わずか30分の面会時間だったが、柳井社長からは「志なき事業は長続きしない。会社を永続させるためには事業価値を定義しなければいけない」などの助言を受けたという。
それまでの田中社長は「メガネはファッション。洋服のように簡単に着替えられるアイテム」と考えていた。そこには事業理念が欠けていた。そこで田中社長は、年明けの1月7日、役員合宿を行い、役員と議論を交わし、定義したのが現在の事業価値「メガネをかけるすべての人によく見える×よく魅せるメガネを、市場最低・最適価格で、新機能・新デザインを継続的に提供する」という定義だった。
そして、薄型非球面レンズのオプション料金廃止、ファッション性を過度に追求しないデザインの標準化、エア・フレームの投入などを行った。
その結果、同社は10年に業績が黒字に転換、「国内500店、売上高1000億円」を目指す現在の成長に続いている。
●2つの強み
小売業界担当の証券アナリストは、JINSの強みは2点と次のように分析している。
1つ目は価格訴求力。従来の老舗企業のメガネは一見低価格に見えても、薄型非球面レンズのようなオプションレンズを注文すると、万単位で価格が跳ね上がってしまう。しかし、JINSは「フレーム、薄型非球面レンズ、ケースの3点セットで4990円」の固定価格設定で、業界他社を圧倒する価格訴求力を実現した。
なぜこんな低価格設定ができるのかの疑問が湧くが、これについて田中社長はあるメディアの取材で「低価格化の仕組みは非常にシンプルで、注文ロットが多いこと。現在の4プライス制の製品展開を開始するに当たって、年間150万本は売れると踏んだ。また、メガネで原価が一番高いレンズは、何社かのレンズメーカーに分割発注するのが業界の常識だったが、当社は一番安く売ってくれるレンズメーカーへ150万本分のレンズを一括発注した。その結果、仕入れ値が劇的に低下、あの価格設定が可能になった」と種明かししている。
2つ目は商品企画力。同社は単なるディスカウンターではなく、素材や機能でも差別化に努めている。それを可能にしているのが、ユニクロを手本にしたという製造小売りならではのバリューチェーン追求。
企画から販売までのすべてのプロセスで、消費者に目を向けた改善を重ね、店頭で吸い上げた消費者の声を商品企画に反映させるバリューチェーンを確立している。この仕組みから生まれたのが「JINS PC」「JINS花粉Cut」などのヒット商品と言える。
●人材育成と課題
こうして、向かうところ敵なしに見えるJINSだが、課題もある。最大の課題は、やはり人材育成だ。
同社関係者は「お客様への手厚いサービスを要求する一方で、仕事のスピード感も要求する。この矛盾した要求に対応できず、すぐに辞める社員が多い」と打ち明けている。
ある経営コンサルタントは「現在の同社のビジネスモデルになっているローコスト生産+ローコストオペレーション+田中社長の商品企画力だけでは、いずれ成長が行き詰まる。今のうちにしっかりと人材を育成しておかないと、気がつけば周りはイエスマンばかり。それでは次の飛躍は難しい」と指摘している。
メガネ業界の関心は、“メガネ業界のユニクロ”JINSの勢いがどこまで続くかに集まっている。
(biz-journal.jp)
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