最新記事
- (11/09)オリンパス、デジカメ4期連続赤字の衝撃!
- (11/06)ルノー・日産と三菱自、提携拡大3つの狙い!
- (11/06)三菱自とルノー・日産連合が業務提携!
- (11/02)苛烈なり!日産ゴーンCEOの体制変更!
- (11/01)ソフトバンク、"飛び道具"でドコモ越え!
- (11/01)ソニー、エレキ復活に「黄信号」!
- (10/31)ソフトバンク上期営業益が過去最高、来年度は売上高7兆円突破めざす!
- (10/30)今期業績を下方修正、コマツは何を見誤ったか!
- (10/30)三菱自動車、営業利益過去最高に!
- (10/30)アマゾンは、いつまで「利益ゼロ」なのか?
- (10/29)コマツの業績悪化で不安広がる、新興国は来年こそ正念場か!
- (10/29)ソニーとの合弁も BPOを武器に躍進するInfoDeliverの次の一手!
- (10/29)笑い止まらぬKDDI好決算の先行き!
- (10/25)ソニーが「α7」で狙うプレミアムカメラの覇権!
- (10/25)キヤノンを急襲する一眼レフカメラの変調!
- (10/24)キヤノンが下方修正、デジタル一眼が初の前年割れへ!
- (10/20)ソニー“高音質ハイレゾ”ウォークマン、iPodを追い詰める記念碑的製品となるか?
- (10/19)勢いづくソフトバンクが次に買収するのは?
- (10/19)ヤマダ電機、なぜ苦境に?上期連結初の赤字〜計画狂う中国出店、ネット通販台頭で現場混乱!
- (10/17)プロを悩ます? ソニーのデジカメ大胆戦略!
- (10/17)ドコモ、iPhone投入でも過去最大純減のワケ〜発表時期、対応遅れる機能、「5」なし!
- (10/17)構造不況の造船 海洋資源に走る!
- (10/17)業界の盟主ヤマダ電機、中間決算で赤字転落へ!
- (10/16)TDK高周波部品の受注好調、前年度比3倍の増産へ!
- (10/16)ソフトバンクが1515億円で射止めた"金の卵"!
- (10/16)カメラ事業は全く悲観せず=キヤノン会長!
- (10/15)ソフトバンク、「Clash of Clans」のスーパーセルを-約1515億円で買収!
- (10/15)米アップル、廉価版iMacを来年2014年に発売か ―中国市場向け!
- (10/15)Googleが広告にユーザー名やコメント表示…Facebook対抗策にプライバシーへの懸念も!
- (10/15)SONY再起動へ。打倒アップル・サムスンへの曙光!
キリンが抱く、“缶コーヒー離れ”への危惧!

「キリン ファイア」(FIRE)。キリンビバレッジ(本社・東京都中野区)が展開するコーヒー飲料だ。印象的なテレビCMなどから缶コーヒーのイメージが強い商品だが、キリンはこの定番ブランドを使って、新機軸を打ち出そうとしている。
キリンは7月22日、「ファイア カフェデリ」と呼ぶコーヒー飲料の新しいシリーズ展開を始めると発表した。エスプレッソとミルクに、キャラメルやオレンジなどを加えた「フレーバーラテ」というジャンルの飲み物として、8月27日に全国発売する。ふたの開け閉めが可能なPETボトル入りで、270ミリリットルとコーヒー飲料としては大きめの容量に加え、「後切れのよい味覚」(キリンビバレッジ・マーケティング部の大屋茉莉子氏)などが特徴となる。
販売目標は年間100万箱
これまでのカフェラテ飲料に多かった、チルドカップが持つ携帯性の悪さを克服した商品でもある。標準価格は1本140円。まず4種類の味で売り出し、定番品の種類を順次拡充するとともに、季節限定品の投入なども進める。テレビCMのオリジナルソングは人気歌手グループ、チャットモンチーが手がけるという気合の入りよう。ヒット商品と飲料業界内で認知される水準となる年間100万箱を販売目標として設定した。
コーヒー飲料に詳しくない人からすれば、特に際立った商品には見えないかもしれないが、キリンは「飲料メーカーから新しいコーヒー文化を提案する」(キリンビバレッジの山田精二マーケティング部長)と宣言するほどの強い意気込みで挑んでいる。背景に垣間見えるのは、若い世代から静かに進行しつつある“缶コーヒー離れ”だ。
博報堂の調べによれば、過去3カ月以内に缶コーヒーを飲んだ人は、30~50代の男性で3~4割。ところが、20代男性となると20%程度まで低下する。女性を対象にすると、この数値はもっと低く20代女性は1割未満。30~50代女性もせいぜい1割前後である。
若い人ほどカフェでコーヒーを飲む
一方、若い世代がコーヒーを飲まないワケではない。実は同じ調査によるとカフェで過去3カ月以内に、コーヒーを飲んだ人は20代男性で約4割、20代女性だと60%近くもいるのだ。女性の場合、若い人ほどカフェでコーヒーを飲んでいる。ここで言うカフェとは、「スターバックス」や「タリーズコーヒー」などのようないわゆるシアトル系カフェを指す。
「コーヒーは、1970年代には喫茶店で、1980~90年代は低価格なコーヒースタンドで飲むもので、主なユーザーは男性会社員。喫煙しながら、というケースが多かった」(山田マーケティング部長)。ところが、2000年代以降は、シアトル系カフェの普及によって、コーヒーはゆっくり時間を過ごす飲み物となり、自宅でも職場でもない“サードプレイス”としてのカフェの利用が、若年層をはじめ若い世代に定着した。その過程で、「エスプレッソ・ラテ」がコーヒーカテゴリの中で一般化した。キリンが、缶ではなく、PETボトル入りの「カフェデリ」の展開に至った理由の一つはここにある。
缶コーヒーにとって、ライバルは今やシアトル系カフェだけではなくなった。多種多様な業態がコーヒー市場に参戦している。たとえば、マクドナルドは2008年にコーヒーをリニューアルし、「100円なのにおいしい」とこれまでのイメージを覆しヒット。マックに続けとばかり、セブン-イレブンをはじめとするコンビニ各社がカウンターコーヒーに乗り出しているほか、オフィス向けの「ネスカフェアンバサダー」、家庭向けの「ドルチェグスト」などのエスプレッソマシンの普及を図るネスレ日本などの存在もある。
缶コーヒーと、一緒に愛されているタバコの社会的地位が低下してきていることも、見逃せない。仕事の合間の一服に、缶コーヒーを飲むというスタイルは中高年の男性サラリーマンに多かったが、禁煙スペースの拡大、分煙化によって愛煙家の肩身は狭くなるばかり。キリンによれば、直近で缶コーヒーの出荷・販売量に極端な減少傾向はみられないものの、「今の男性サラリーマンが引退して会社に来なくなったときに、缶コーヒーをパタッとやめるようなケースがありうる」(山田マーケティング部長)という危惧を抱く。
キリンがペットボトルコーヒーを出すのは、今回のカフェデリが初めてではなく、かつて、「ファイア ネオ(neo)」というシリーズで展開したことがある。ただし、思ったようなヒットとならず、現在、自動販売機向けの販売は終了している。原因は、「缶コーヒーをそのままペットボトルに詰めただけだった」(山田マーケティング部長)。カフェデリシリーズには、過去の失敗を繰り返すまいとするキリンの反省がある。
ファイアのシェアは国内5番手
それに、もともとキリン ファイアの国内シェアは、「ジョージア」(コカ・コーラ)、「ボス」(サントリー食品)「ワンダ」(アサヒ飲料)、「ダイドーコーヒー」(ダイドードリンコ)に続く国内5番手(7%、2011年、食品マーケティング研究所調べ)。缶コーヒーでの地位向上を狙うよりも、新機軸による需要開拓を進めるほうが、競合との差別化になる。
ただ、カフェでコーヒーを飲むというスタイルを定着させている人が、カフェで売っているようなコーヒーをコンビニや量販店で買いたいと思うかは未知数である。コーヒーは味や飲料感だけではなく、カフェでゆっくり過ごす時間や、コーヒー1杯で確保できるワークプレイスなどを求めて、飲んでいる側面は少なからずあるからだ。そうした要素をはねのけ、狙い通りの成果を収められるか。キリンの新しい挑戦が始まる。
(東洋経済)
≪ 男性よ、もっと家事や育児をせよ! | HOME | 「お客様は神様」は本当に正しいのか?! ≫
コメントの投稿
トラックバック
検索フォーム
スポンサードリンク
人気記事
カテゴリーメニュー
月別アーカイブ
リンク
RSSリンクの表示
韓国芸能 人気カテゴリー&ページ