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快進撃!「auスマートパス」の“仕掛け”!

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開始からわずか1年4カ月で会員数が700万を突破し、業界屈指のメガサービスに成長したKDDIの「auスマートパス」。月額390円で500以上のアプリが取り放題、独自コンテンツも使いたい放題となるサービスだ。従来型の携帯電話からスマホへ乗り換えが進む中、「スマホを買ったけれど、何をすればいいのかわからない」というユーザーは多い。スマートパスはこうしたユーザーがよりスマホを活用できるよう、さまざまなコンテンツを加えてきた。

今年度も、雑誌や映画などのコンテンツを拡充。アップル製品向けにもサービスも広げ、故障した場合の修理代金のサポートを加えた。コンテンツが少ないことから、アップル向けのみ無料で提供してきたが、5月1日には有料化に踏み切った。

ただ、その後も会員数は落ちることなく順調に伸びている。サービス収支をみても、前期はコンテンツ拡充のための費用が先行し赤字となったが、今期は4~6月期ですでに黒字化を達成。数多くの無料サービスが転がる中、KDDIには、どんな“仕掛け”があるのか。生みの親でauスマートパスの推進部長を務める繁田光平氏に聞いた。

無料サービスにないものを、どれだけつくれるかが勝負

――auスマートパスは7月に会員数が700万人を突破しました。サービス開始からわずか1年4カ月です。

ほぼ予想通りのスピードです。当初から、KDDIとして「より多くのユーザーに使ってもらうためのベースのサービスを作っていこう」「店頭でもユーザーにしっかりプッシュしていこう」という方針でした。今年度末に1000万会員を目標にしていますが、サービスの構想時から1000万を目指す考えはありました。

他社サービスとの大きな違いは、毎月390円を頂く有料サービスだということです。私達はこの原資を使って企画を立ち上げ、コンテンツを提供していきます。無料サービスには存在しないものをどれだけ作っていけるかが勝負になります。

たとえば、6月に「ぴあ」と連携しチケット先行予約などをやってきました。この場合、われわれが先行でチケットを購入し、バックステージパスなどさまざまな特典をつけて会員に限定販売します。最終的にはおカネを回収しますが、原資がなければこうしたモデルは難しい。とにかく、サイトをのぞけば、いつでもおトクなサービスがあり、たくさんのメリットが飛び込んでくるようにする。その集合体がスマートパスのイメージです。

――アップル製品向けのサービスを5月に有料化しました。半年間以上、無料で提供してきた割に、退会が少なかったようですが。

こちらは予想をかなり上回り、9割以上のユーザーに残って頂きました。確かに、iPhoneなどで使えるWebベースのコンテンツは充実させてきましたが、まだ発展途上です。結局は、スマートパスに入っておけば多くのコンテンツを試せて、色々な事ができるという点が評価されたのだと思います。

スマートパスはアプリだけでなく、スマホにおけるスターターキットという位置付けでサービスを広げてきました。アンドロイド端末向けでは、スマホ向けのセキュリティソフトや節電アプリなどがあり、これを目当てに加入されているユーザーの方も多くいます。

これまでも、ユーザーに対して何ができるのかということを考え、ずっとヒアリングを続けてきました。その中で、iPhoneのユーザーが不安な点として挙げていたのが「壊れた時にどうすればいいのか」ということでした。こうした不安を解消しようと始めたのが、iPhoneやiPadのアップル製品が故障した場合、修理代金を負担するサービスです。本当にそこまで必要なのか、といった議論はありましたが、ユーザーの満足度を上げるためにも、しっかり踏み込んでやろうと考えました。

「ジブリの森」はユーザーに“刺さった”

また、エンタメ分野では、会員限定のコンテンツ「ジブリの森」を始めました。スタジオジブリさんとは、長い間、映画でもかかわらせて頂いています。その作品の価値を伝え続けてきた中で、たどり着いたコンテンツです。他社にはないもので、エンタメの中でもユーザーにいちばん“刺さった”コンテンツだと思います。一時期ですが、退会ページでジブリを紹介すると、それまでより退会する率が落ちるほどでした。

スマートパスにあるアプリやコンテンツで遊んでいただき、もっとスマホを楽しんでもらえるようにする。オープンインターネットの世界に出る前に、浅瀬のような場所で遊べる仕組みを作る。こうした当初の考え方は基本的に変わっていません。リテラシーの高いユーザー向けのサービスになってしまうと、会員数も伸びなくなってしまうと思います。

――6月以降、さまざまな情報が流れてくる「タイムライン」機能が追加されましたが、どんな狙いが?

会員数が500万、600万と増えてくると、アプリの取り放題だけでなく、さらに満足度を上げなければ次のステージに移れないと思いました。

週に1~2回だけでなく、もっと使っていただくためには、スマートパスをさらに知ってもらわなくてはならない。ただ、こちらから情報をプッシュしすぎるとユーザーに敬遠されてしまいます。そこで、ユーザーに行動的になって頂き、空いた時間に何回も来てもらおうと。コンテンツを増やして、かつ、おトクなサービスを差し込んでいこうと考えました。そうなれば、サイトを見る頻度が増え、私たちが訴求したいものを出すチャンスもさらに増えてくるという流れです。

以前のページ構成でそれを実現しようとすると、情報量が多すぎてしまう。そこで、時間ごとに区切れば情報量をより多くできるのではないかと、タイムライン方式に変更しました。

タイムラインに関しては、今はすべてのユーザーに画一的な情報を流していますが、これからは情報の出し分けを進めていきます。たとえば、ユーザーのアクションからより人気のある記事の量を増やしていくことや、ユーザー自身が選ぶということです。「占い」「お知らせ」「ニュース「音楽」といった各ジャンルに「好き」「嫌い」などのボタンをつけることなどでユーザー自身が選べるようにしていく。すると、情報提供される方々もジャンルを増やすことができる。

たとえば、占いを「好き」と言ってくださる方がいれば、星座だけでなく血液型や四柱推命といったさまざまな種類のものを増やすことができます。そのほか、旅行情報だったら、お子さんがいるかどうかで週末に行きたい場所も変わってくるし、位置情報に関連したおトク情報を配信することも必要です。ここは確実にやらなければいけないと思っています。

ユーザーの理想は高レベルのサービス

――会員数が大幅に増えてくると、サービスの形も変わっていきますか?

会員数が1000万を超える規模になると、ユーザーに共通する価値を出し続けていくのは難しい。人口1300万の東京都に並ぶ水準ですし。ひとつの国が形作られているという感覚でしょうか。ユーザーが理想とするのは、高い税金を払った分、高レベルの福祉サービスが受けられることなのか。それとも、米国・ラスベガスのようなエンターテインメントを追求する方向なのかといったことはつねに議論しています。

とはいえ、あまり明確に色を付け過ぎてもいけない。音楽が好きな人、映像が好きな人、どんな方にとっても価値を感じて頂くにはどうすればいいか。これが、390円をお支払い頂いていることに対し、しっかりフィードバックをしていくことだと思っています。

今後はネットの世界だけでなく、クーポンなどで、リアルにおけるメリットを広げていきます。クーポンを広げることで、映画やライブ、ショッピングに行く機会が増えていく。ベタな話ですが、デジタルコンテンツというより、リアルへの送客ですね。これをやらないと1000万会員にはならないと思います。クーポンはこれまでもローソンやケンタッキー・フライドチキン、サンマルクなどと協力してそろえてきましたが、さらに広げます。390円を頂いている以上、それ以上の価値をユーザーに返していこうと思っています。

コンテンツパートナーに弱点を補ってもらう

――サービスを広げる上で、コンテンツを提供するコンテンツプロバイダー(CP)とどのように協力していきますか?

自社だけでサービスを展開していれば、それこそ半年程度で廃れる可能性があります(笑)。情報の感度の高さや、予期せぬ事態に順応できるのはコンテンツプロバイダーの方々です。われわれは、より魅力的なプラットフォームを作るまでです。得意なところはしっかり作り込み、不得手なところを補っていただける方と協力していくのがビジネスの基本だと思います。

最近では協力の仕方も多様化してきました。販売実績が積み上がってきたので、「スマートパスで商品を扱ってほしい」といった話も出てきています。パートナーにお支払い頂き、目立つスペースでアピールするケースですね。一方で、十分にお客さんを集められる企業の場合は、われわれがおカネを支払い、何らかの会員特典を追加してユーザーに販売することもあります。このように、つねにライブの先行予約や映画の試写会の案内など、さまざまな特典があると、音楽好き、映画好きの方なども会員を続ける動機づけになるわけです。

モバイルの特性なのか、KDDIユーザーの特性なのかわかりませんが、チケット販売をスタートしてわかったのは、意外と地方への訴求力が強いということです。ぴあさんから教えて頂いたのですが、愛媛や鹿児島、山口などで思ったより結果が出ていると。こうした地域の公演は苦戦しがちですが、そこでかなりの数がさばけたそうです。東名阪の主要都市で売れるのは当然ですが、一部のアーティストだけの話ではなく、スマートパスに提供すると地方での販売が伸びる。そういった意味で、地方ではスマホを起点として行動している、という傾向があるかもしれないですね。

よく「パソコンではお客さんを集める自信があるけど、スマホに対するアプローチの仕方がよくわからない」という声を聞きます。こうした企業こそ、われわれと協力しやすいのではないかと思います。もちろん、私たちも以前の携帯電話の時代のようにユーザーの反応があるかと言えば、そうでないものもあります。そこは試行錯誤の連続ですね。

auショップも活用し、他社と差別化

――ユーザーとの接点を持っているのは携帯電話会社の強みですね。

確かに、何かサービスを出したけど、ユーザーが集まらず、まったく反応がないということはありません。来ていただいた方の反応をチェックすることはできる。この違いはありがたいです。アプローチの仕方として、パソコン向けのサービスならメルマガなどがあげられますが、われわれは端末だけでなくauショップもあります。こうしたリソースを活用しながら、他社とは違う形でやっていきます。

――田中孝司社長はどのような指示を?

「とにかくユーザーを送り込む送客パワーを付けるんだ」「これは新規事業にもつながる。そのための起点を作れ」と、毎日のように言われています。私の顔を見る度に「わかっているな?」という感じです(笑)。

でも、その通りです。ユーザーを効率的に送り込めるようになれば、プラットフォームはさらに活性化します。この、たくさんの人が行き交う大通りにコンテンツのお店を出すことで、初めてお店に人が来てくれる。こうした仕組みを作れと、つねに言われています。

――1000万を超えて、会員数はどこまで伸びますか?

究極的にはスマホをお持ちのユーザー全員に広げたいと思っています。ただし、1000万会員を超えると、サービスはスマホ向けだけでよいのか、ということになると思います。つまり、ケーブルテレビ向けなども充実させていかないと。これから増えていくシニアはテレビ世代の方も多いので、ここにアプローチしていくことになると思います。どんな端末でも楽しめる真のマルチデバイス化を進めないと、こうした世代には入り込めない。グループのジェイコムやJCNとテレビを起点としたビジネスを作っていくことができれば、さらに成長できると思います。

http://toyokeizai.net/articles/-/17477



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ブログパーツ [ 2013年08月13日 12:55 ] カテゴリ:日本ビジネス | TB(0) | CM(0)
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