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世界シェア計70%、3Dプリンタが開く未来図!

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今年7月に茂木経済産業大臣が訪米した際、視察した現地企業は3社あった。ロッキード・マーティン社のサイバーセンターとグーグル社、そして3社目がストラタシス社だった。

はじめの2社に比べて3社目はいささかなじみの薄い名前だ。何の会社だろうと思った人は少なくないだろう。実は3Dプリンタの大手メーカーなのである。日本でも、次世代型産業用3Dプリンタの官民挙げての研究開発促進が表明されており、それに合わせた大臣視察だったのだろう。

そして、8月に入ると、家電量販店大手のヤマダ電機とビックカメラが、1台20万円以下の個人向け3Dプリンタの取り扱いを始め、話題になった。特別の金型や工具をそろえなくとも、思いどおりに立体物を作ることができるこの装置は、少し前なら夢のような話かもしれない。

そして、日本での注目度アップに呼応するかのように、米国の3Dプリンタメーカー大手2社の株式時価総額はいずれも急速に伸びている。財務諸表で読み解く海外企業の2回目は3Dプリンタ大手の2社に注目したい。

3Dプリンタとは、コンピュータで作成した設計データを基に、樹脂や金属などの材料を少しずつ積層しながら固めていき、複雑な構造の立体物をダイレクトに一体として造形する装置である。金型を使わず、専用の工具を準備する必要もなく、特殊な職人の技術がなくとも、まるで印刷するような感覚で立体物を造形できるのだ。

インクに相当する材料の違い、材料の積層方法の違いによって、3Dプリンタにはいくつかの種類が存在する。溶かした樹脂を積み重ねる熱溶解方式、粉末を噴射するインクジェット方式、金属粉末を積層造形する方式などである。今のところ、樹脂を用いる3Dプリンタが主流になっている。

設計データに応じて多種多様なものを作るのに適しているが、造形するのに時間がかかるため同じものを大量に作るには適さない。つまり、多品種少量生産に適した装置なのだ。

1990年代に誕生、普及版の登場でステージが変わる

3Dプリンタは案外古くから作られており、1990年代前半に産業用に売り出されたのが最初である。販売価格は高く(円にして1台1億円も珍しくないという)、ユーザーは大企業が中心だ。試作とテスト、そして改良を繰り返して製品を作る場合に使われることが多かった。最終的な部品の製造に使われるだけでなく、たとえば、新製品開発のためのモデルやプレゼンテーション用の見本を作るのに活用されてきた。

2000年代に入ると、進化・改良が進んだ。材料の品質向上、造形物の精度向上、造形の複雑化などにより用途は多様化し、装置の使い勝手の改良と維持管理の簡便化が図られ、さらに販売価格は引き下げられた。こうした進化の背景には、コンピュータの性能の向上があったのは言うまでもない。ただ、現状でも数十分から数時間かかるという造形時間は、さらに短縮される必要があるだろう。

そして、2010年前後から、普及版の3Dプリンタが発売されるようになった。普及版は、小型のもので、価格も円にして100万円前後となり、小規模企業、新興企業、そして個人が使い始めた。さらに家電製品並みの価格のものが登場するとともに、個人向けの手軽な装置として脚光を浴びるに至っている。

もともと、小規模メーカーが乱立していた3Dプリンタ業界であるが、買収・合併が進み、集約されてきている。樹脂を素材とする3Dプリンタで先行しているのは、米国の2社、3Dシステムズ社とストラタシス社であり、この2社のシェアは合計すると世界の市場の70%に上るもようだ(ただ、2012年の売上金額はいまだにそれぞれ3.5億ドルと2.2億ドルであり、メーカーとして特に規模が大きいというわけではない)。

3Dプリンタメーカーは再編・集約の途上

両社が米国証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書をたどってみよう。両社はいずれも1980年代後半に創業された会社である。それぞれ製造技術の特許を取得し、それを基に事業を展開した。その後、同業を積極的に買収・合併し、規模の拡大を図っており、最近3年間の売り上げの成長は著しい。

さらに2013年に入ってからも、特色のある大手3Dプリンタメーカーを買収し、業容のさらなる拡大を図っている。そして、両社とも、売り上げが伸びるとともに、将来の大きな成長を見込んで時価総額が大きく立ち上がってきている。

2社はいずれも粗利率(売上総利益率)が高い。過去10年間の平均では、3Dシステムズ社の粗利率は45%、ストラタシス社はそれを上回る52%である。2011年までの各年は3Dシステムズ社の粗利率のほうが低かったのだが、2012年は両社とも51%で並んでいる。

機械メーカーで50%以上の高い粗利率を享受しているケースは決して多くはない。たとえば、工作機械用数値制御装置メーカーとして世界トップシェアを誇る日本のファナックも、過去10年平均で50%の粗利率を維持している会社だ。

高い粗利率は製品の価格設定権を有している証左にほかならない。3Dプリンタメーカー2社の売り上げは大きく伸びているが、販売価格を崩してまでシェアを取りにいっているわけではないのだ。

両社は、これからも3Dプリンタの用途や顧客分野を新たに開拓していかねばならない段階にある。したがって、積極的な市場開拓のために、多額の販売費を投じている。研究開発費を除く販売管理費が売り上げの30%相当と大きく、そのために、粗利率が高いにもかかわらず、今のところ高い営業利益を確保しているとは言いがたい。ストラタシス社は1999年以降、営業段階での黒字を維持しているが、3Dシステムズ社はこの間、営業赤字の年が少なくなかったのだ。

これまでの両社の売り上げの成長は、同業メーカーの買収によりその売り上げが加わったことが主な理由だった。しかし、業界再編が落ち着いた後には、安定した成長が可能だと考えられる。

3Dプリンタメーカーの売り上げは、本体の装置の売り上げ、樹脂などの製造材料の売り上げ、そしてメンテナンスなどのサービス収入の3本立てである。このうちの製造材料とサービスについては、過去に自社製品を購入した既存顧客も対象となるため、安定した収益源になる可能性が高い。この構図は、コピー機メーカーの収益構造の例に見られるとおりである。

3Dプリンタは製造業を変えるか?

昨今の3Dプリンタへの高い関心は、趣味の分野での「新しいオモチャ」の登場による一時のブームで終わるのだろうか。それとも、さらに産業用途での使われ方が広がり、深まって、製造業のありようそのものに新しい局面をもたらすのだろうか。

3Dプリンタと設計データがあれば、簡単に立体物が作れるとなると、メーカーにとって大規模な生産設備は不要になるだろうか。話はそう簡単ではないようだ。3Dプリンタは造形に時間がかかるため、量産するための装置にはなりにくい。ただ、多品種少量生産に向く特性が生かせる用途が数多く見つかれば、3Dプリンタ活用の道は大きく広がる。たとえば、患者一人ひとりの形状に合わせて作らねばならない医療関連の機器・用具など(たとえば、人工関節)のようなケースである。

3Dプリンタの活用が広がると、製造業の販売シェアの構図が変わる可能性もある。大量生産がコストダウンを生み、販売価格が下がり、その結果、市場を大きく占有するメーカーが生まれるという、これまでの産業の形が変わるかもしれない。さまざまな製造業の分野において、多数の小規模メーカーの製品が市場の一角(あるいはかなりの部分)を占める時代が来るかもしれないのだ。

「何がつくれるか」よりも「何が欲しいか」が重要

メーカー、特に日本のメーカーは長い間、「製造可能なものを製造する」というスタンスをとってきた。欧米先進製品へのキャッチアップの過程では、作り方を学んで作っていくというプロセスが当たり前だったためだろう。

しかし、まったく新しい分野、まったく新しい製品の創出が求められている時代においては、「製造困難なものを製造する」メーカーが必要になっている。そこで、製品化のプロセスを確立できるかどうかというハードルは、進化していく3Dプリンタの活用によって低くなるのかもしれない。

そうなると、「製造可能かどうか」「どうやって製造するか」を出発点にするのではなく、自分たちの豊かな生活の実現のためには「何が欲しいか」「何があったらよいか」を出発点にして考えることが、さらに大事になるのではないだろうか。

http://toyokeizai.net/articles/-/18734



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ブログパーツ [ 2013年09月03日 09:48 ] カテゴリ:アメリカ企業ビジネス | TB(0) | CM(0)
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