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米国スマホ市場の成熟とアップルのトリック
失望の原因は、iPhone以外にある
アップルは米国西海岸9月10日に、同社のキャンパス内にあるタウンホールでiPhone 5s、iPhone 5cを発表した。みなさんはどのように受け止めただろうか。
米国ではテクノロジーのコミュニティから「驚きがなかった」という声が上がり、ウォール街の反応もネガティブ。発表からアップルの株価は6%ほど下落した。
市場には、「噂で買って、事実で売る」という言葉がある。1年前700ドル以上だった株価が7月までに390ドルで底打ちし、500ドルまで戻してきたところで、今回の発表を迎えた。チャートを見る限りでは失望売りというよりは、単なる利益確定売りと見て良いだろう。
ウォール街や中国は、値段を抑えたiPhone 5cが2年契約を前提に99ドルだったことに対して「高い」と指摘し、iPhone 5cの「c」は「チープ」(Cheap)ではなかったのかとの声も聞かれる。中国市場攻略は、アップルのシェアを大幅に伸ばす数少ない手段だったこともあり、より踏み込んだ、戦略的な低価格モデルを期待していたに違いない。
おそらく来年にはiPhone 5cが2年契約で0円になるとは思うが、アップルが単なる安物を進んで作りたがる企業でないことは衆知の通りだ。それは、iPhone 5cのポリカーボネイトのボディを触れた瞬間に、金属製で性能の高いiPhone 5sと悩むほどの質感を出していることでも分かるだろう。
またテックコミュニティの求める「驚き」の多くの成分は、iPhoneに向けられているものではないことも付け加えるべきだ。噂される「iWatch」など、これまでとは全く違う製品への期待に対して、今回はiPhoneが登場しただけだったことが原因だ。失望がiPhoneそのものに直接向けられているわけではないように思える。
もちろん、ライバルの動きも無視できない。ソニーはスマートウォッチの第二世代モデルを登場させており、サムスンもGALAXY Gearを登場させ、ウエアラブルデバイスの分野にアップルよりも先に参入している。
しかしこの点も、今までのアップルを見ると、既定路線だと分かる。スマートフォンにしてもタブレットにしても、他社に先に製品を出させておいて、後出しで自社製品を発表し、その素晴らしさをより強調するのが、ジョブズ時代からの勝ち方だった。
もしもジョブズがいれば、きっと今頃、ソニーやサムスンの腕時計型デバイスをみて、酷評していたに違いない。
打倒サムスンの対抗策
これまで年間1モデルを丁寧に販売してきたアップルは、前年リリースのデバイスを翌年の廉価版として販売する方法をやめ、1年に上位モデルと下位モデルの2機種をリリースする方式に変更した。
背景は2つあると見ている。
1つ目はライバルへの対抗策だ。
アップルのライバルであるサムスンは、GALAXYシリーズで、アンドロイドスマートフォンのハイエンドからエントリーモデルまでの全方位戦略をとり、スマートフォンのシェアの多くを獲得した。これまでは、ビジネスユーザーからの支持が厚かったブラックベリーからシェアを奪う構図だったが、最近ではアップルのシェアをも奪い始め、2012年第2四半期に16.6%だったアップルのシェアは2013年第2四半期には13.2%に低下した。アップルがiPhone出荷台数を2600万台から3120万台に増やしているにもかかわらず、である。
アップルは戦略を変え、上位モデルでこれまでの系譜を引き継ぐiPhone 5sに加えて、廉価版となるiPhone 5cを投入した。リーチしにくかった新興国や先進国でハイエンドを求めないユーザーに対する訴求に効果的と言えそうだ。具体的なターゲットは、新興市場は中国であり、先進国は日本のスマートフォンをまだ使っていないドコモユーザーになるだろう。
DIGITIMESがディスプレイ需要から予測したiPhone製造・出荷数は、2013年第4四半期にiPhone 5sが2000万台、iPhone 5cが3000万台となっている。
処理能力は、初代の50倍に
2つ目は、スマートフォンそのものの成熟だ。
アップルは、最新のA7チップを搭載したiPhone 5sが、iPhone 5(おそらくiPhone 5cも同等)よりも、処理能力・グラフィックス性能ともに2倍になったと発表した。iPhone 5sが、初代iPhoneに対して処理能力40倍、グラフィックス性能56倍になったが、A6チップを搭載したiPhone 5とiPhone 5cも初代iPhoneから処理能力20倍、グラフィックス性能28倍になったことを意味する。
実際、筆者がiPhone 5を利用している限り、たとえiOS 7にアップグレードしても、パフォーマンスが大幅に足りないというわけではない。ハードウエアとソフトウエア、アプリの最適化によって、十分動作するし、薄型で軽量ボディの割にバッテリー持続時間も延びている。
もともとアップルはスペックに現れない体験を重視してきたが、スペックも、十分に発展した、というレベルに達しつつある。iPhone 5sではカメラ性能にこだわり、iPhone 5cではカラフルさや個性をアピールしている。これは、スマートフォンそのものの成熟を意味しているのではないだろうか。
マイクロソフトに買収されたノキアは、ウィンドウズフォンを搭載するスマートフォンLumiaで、最上位モデルには4100万画素のカメラを搭載しフラッシュにもこだわっている。シリーズ全体では、ビビッドなボディカラーを展開し、自分らしい色を選べるようにしている。これは面白いことに、アップルがiPhone 5sとiPhone 5cでやっていることと共通しており、スマートフォン市場の成熟の傾向かもしれない。
日本も世界で最もモバイルが発達している成熟市場だ。国内でiPhoneに押されっぱなしのデバイスメーカーは、国内ではなく、世界にこうしたアイディアを問うても良い時期ではないだろうか。
スマートフォン市場そのものの大きな流れだけでなく、アップルが先進性を保ち続ける(保ち続けているように見せる)アピールの仕方も面白い。アップルファンにとっては、iPhone発表のイベント内容は、スペックを強調するばかりでつまらなかったという人も多いだろう。しかしあのアピールはやっておくべきだったと筆者は思う。
iPhone 5sに搭載されたA7プロセッサはスマートフォン初の64ビットとアピールした。iOS 7には既に64ビット対応カーネルや64ビットで動作するアプリが用意されており、通常何年もかけるプラットホーム移行となる64ビット化が1日で済んだと息巻いた。
それまでスマートフォン最高のスペックを標榜してきたサムスンはすかさず、次世代のGALAXYスマートフォンに64ビットプロセッサを搭載するとコメントしている。しかしGALAXYが次も搭載するであろうOS、Androidの64ビット対応を待たなければならず、サムスンだけでアップルに追いつくことはできない。
アップルとしては、もちろん64ビットのA7プロセッサから、カメラ機能などの恩恵を受けることができており無意味ではない。しかし前述した通り、現状のiOS 7によるスマートフォン体験においてはiPhone 5cの32ビットA6プロセッサで充分なパフォーマンスが得られていることも事実だ。A7の64ビット化は、現状においては、ライバルよりも先進的と言える。
今後は指紋センサーが増えてくる
A7プロセッサに比べて、指紋センサーをホームボタンに仕込んだTouch IDは、もう少し実利があるかもしれない。セキュリティの強化は、個人のスマートフォンユーザーに不可欠なだけでなく、BYOD(Bring Your Own Devices:職場に個人保有の携帯機器を持ち込むこと)の拡大により、ビジネス現場でも必要性が高まっている。
Touch IDを搭載することで、生体認証を前提としたセキュリティポリシーへの対応を果たし、iPhoneのビジネス活用を促すことができる。アンドロイドにも顔面認証などの生体認証が採用されているが、指紋センサーの搭載は今後増えてくるのではないだろうか。筆者の見立てが正しければ、おそらくA7プロセッサを搭載する「次のiPad」にもTouch IDを搭載することになるはずだ。
最高性能の誇示や、デバイスの新たなスタンダードの設定を続けるアップル。他社が追随せざるを得ないものを上手にiPhone 5sに搭載するやり方は、巧妙なトリックのようである。
http://toyokeizai.net/articles/-/19606
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