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焦るマイクロソフト、ノキア併呑で得るもの!

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社員や工場が重荷。減損リスクも

「ノキアのウィンドウズフォンの販売台数は直近四半期で740万。事業買収によりスマートフォン(スマホ)でのシェアをいっそう引き上げていく。この買収はマイクロソフトの事業構造改革に向けた、極めて重要な決断だ」

9月2日、マイクロソフトはノキアの携帯端末部門を合計54億4000万ユーロ(71億8000万ドル、約7130億円)で買収すると発表。その直後にノキアの本拠地、フィンランドで開かれた両社共同の記者会見でスティーブ・バルマーCEOは、こう高らかに宣言した。

しかし、買収発表から一晩明けた9月3日の株価の動きは対照的だった。ノキアは前日終値3.9ユーロから5.4ユーロへ急騰。マイクロソフトは33.4ドルから31.9ドルへ落ち込んだ。この株価の反応が、この買収の評価そのものといっていい。ノキアは重い荷物を下ろし、反対にマイクロソフトは難しい問題を背負い込んだと判断されているのだ。

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賭けに失敗したノキア

ノキアは2011年まで携帯電話端末で世界首位だった。07年のアップルのアイフォーン誕生から始まるスマホシフトの流れに乗り遅れ、スマホが伸びていく過程で、得意としていた従来型端末の販売台数が落ち込み、みるみるシェアを喪失。スマホを含む携帯電話のシェアは現在2位だが、スマホだけで見ればトップ3は韓国サムスン電子、米アップル、韓国LGエレクトロニクスだ。ファーウェイ、ZTE、レノボの中国3社、ソニーが争う4位集団にも食い込めておらず、5位集団のうちの1社だ。

ノキアとて手をこまぬいていたわけではない。10年9月には初の外国人CEOとして、マイクロソフト幹部のスティーブン・エロップ氏を招き、年明けにはマイクロソフトと提携。自社OSを捨て、ウィンドウズフォンに賭けた。

しかし、グーグルの「アンドロイドOS」が急速にシェアを拡大していく中、ウィンドウズフォンはニッチ端末に沈んだ。結果的にマイクロソフトとの提携は、ノキアを救うどころか、窮地に追いやった。その骨を拾ったのがマイクロソフトだった、というわけだ。

今後、ノキアは通信インフラ事業に専念する。7月にはシーメンスとの合弁会社の100%子会社化を発表。過去に買収したモトローラの通信インフラ部門も合わせ、インフラ事業では着実な収益を上げていくことも可能だ。今回の事業売却によって、マイクロソフトからはノキアブランドの使用料収入も入ってくる。

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社員13万人の巨大企業

一方でマイクロソフトは二つの重荷を背負うことになる。一つは71億8000万ドル(買収額と特許料の合計)という額に見合った収益を上げられるかどうか、という課題。マイクロソフトは過去にもアクアンティブの買収案件でのれん代約62億ドルを12年4~6月決算で減損処理している。ノキアの案件も将来の利益圧迫要因になるかもしれない。

新たに加わる3万2000人の従業員、工場などをどのように取り扱うかも課題となる。6月末時点のマイクロソフトの社員数は9万9000人。単純合算で13万1000人の巨大企業になる。あるアナリストは「工場はEMS(電子機器製造サービス)へ売るにしても、労働者の力が強いフィンランド本社の社員を切るのは容易ではない。しかも優秀な技術者はすでにヒューレット・パッカードなどに流出しており、虫食い状態になっている」と指摘する。

日本マイクロソフトの元幹部は「スマホのような端末を今から強化しても遅い。むしろ、これからは端末の価値は下がり、データセンターなどクラウド側の価値が上がる。同じ買うのであればインフラのほうを買うべきだった」と今回のM&Aに首をかしげる。「ありえるとすれば、エロップ氏をマイクロソフトに取り込み、次期CEOに据える、ということ。それくらいしか買収の理由は見当たらない」。

エロップ氏は08年から10年までマイクロソフトに幹部として勤務。オフィスソフト製品の責任者を務めており、来日もしている。その当時を知る日本マイクロソフト社員は「非常に人望のある人。彼が次期CEOの候補というのは多くの人が納得していると思う」と言う。

バルマー氏は8月23日に「12カ月以内にCEOを退任する」と公表。ビル・ゲイツ会長らと後任CEO選びを進めていくことを表明している。ノキア買収を終えるのは、来年1~3月期の予定であり、それから数カ月後にはバルマー氏はCEO職から外れることになる。自社製ハードとクラウド事業に力を置く「デバイス&サービス・カンパニー」への脱皮を掲げるバルマー氏は、社内昇格よりも、社外でデバイス事業に実績のある人物を招き入れようとしている、とみられている。その意味でも、ノキアで修業を積んだエロップ氏を次期CEO候補として迎え入れることは重要だったのだろう。

かつての携帯電話端末大手は軒並みスマホシフトに失敗し、事業再編に追い込まれた。モトローラはグーグルへ、エリクソンはソニーへ、ノキアはマイクロソフトへ、とそれぞれ端末事業は身売りされた。めぼしい企業で最後に残っているのはカナダのブラックベリーだ。

そのブラックベリーも複数の企業と身売り交渉を進めている。中でも有力候補として指摘されてきたのが11年に業務提携したマイクロソフトだった。

ウィンドウズフォンのシェアを引き上げるためには、徹底的にM&Aを進めていくのかもしれない。

http://toyokeizai.net/articles/-/19354



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ブログパーツ [ 2013年09月15日 11:27 ] カテゴリ:アメリカ企業ビジネス | TB(0) | CM(0)
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