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買収休止のリクシルは成長軌道に乗れるか!

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「4000億円級の巨額買収」──。国内外の報道に追い立てられるように、住宅設備大手のLIXIL(リクシル)グループが欧州の水栓金具最大手、グローエ・グループの買収を発表したのは9月26日午後8時すぎ。勝負ドリンクであるコカ・コーラが置かれた会見席に現れた藤森義明社長は終始能弁だった。

「アメリカン・スタンダードに続くグローエの買収で水回り関連の超一流の製品群が整い、全世界に拠点を確保した。リクシルのアジア展開と合わせ、世界最大の水回り製品メーカーになるための基盤ができた」

グローエはバスルームやシャワーヘッドなどの水栓金具メーカーで、欧州シェアは15%。デザイン性が重視される欧州の住宅設備業界で高級ブランドとして知られている。

同社は2000年に非上場化し、04年に現在の親会社であるTPGキャピタルとクレディ・スイス系のファンドに転売されてから、立て直しに成功した。12年12月期の売上高は約1830億円(約14億ユーロ)、営業利益は283億円。売上高で1.5兆円に迫るリクシルに比べると、規模こそ小ぶりだが、利益率は4倍以上と高水準だ。

反面、ファンド傘下で借入額も相応に膨らんできた。それゆえ、今回の買収はリクシルにとって過去最大規模の案件であり、スキームの組み立ても複雑なものとなった。

ファンド顔負けのディール

リクシルは日本政策投資銀行と議決権折半で特別目的会社(SPC)を設立。そこを通じてグローエ株の87.5%を取得する。このSPCに対し、リクシルが普通株と優先株を合わせて992億円、政投銀が議決権付き優先株で500億円、三菱東京UFJ銀行など国内メガバンクが議決権なしの優先株490億円を出資する。一方、グローエが現在借り入れている約1600億円は、国内金融機関が組成するノンリコースローン(非遡及型融資)に切り替えられる。返済原資はグローエが生み出すキャッシュフローに限定され、リクシルは返済義務を負わずに済む。この負債を含め取得額は約3800億円となる。

M&A実務の専門家はこのスキームを「母体企業のバランスシート、格付けを悪化させることなく巨額買収を行える手法」(経営共創基盤の塩野誠マネージングディレクター)と評する。

ただ現状では、グローエに対するリクシルの出資比率は4割強にとどまり、持ち分法適用会社にしかならない。成熟する国内市場に代わって海外売上高を1兆円まで引き上げる中期目標を掲げるリクシルとしては、本来であれば連結子会社にしたいはず。それでも今回のスキームで手を打ったのは、時間を稼ぐためだ。藤森社長は「グローエが売りに出ている今を逃せない。部分保有でひとまず買収し、3~5年で体力をつけてから政投銀の持ち分を買い取り、子会社化する」シナリオを描く。

問われる内部成長

アルミサッシ国内最大手のトステムと水回り大手のINAXが統合して誕生したリクシル。その歴史は、買収に次ぐ買収だ(図)。

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サンウエーブ工業、新日軽など、国内での大型買収一巡後は、海外企業の物色を本格化。11年8月に米ゼネラル・エレクトリック(GE)幹部だった藤森氏をトップに招き入れてからさらに拍車がかかり、11年末にカーテンウォール(ビル外装材)世界最大手のペルマスティリーザ、今年8月にはアメリカン・スタンダードの北米事業、そして今回のグローエと、矢継ぎ早の買収を実施。その合間には電機メーカーのシャープや家電量販店のエディオンへの部分出資なども行ってきた。

辣腕ディールメーカーとして名を馳せた感のある藤森社長だが、意外にも「海外の大型投資はこれで小休止」と宣言する。これまでの買収で14年度までに海外売上高5000億~6000億円は視野に入った。今後は「内部成長により7000億~8000億円を目指す」(同)。

グローエ買収によって、リクシルは全世界で水回り製品を展開することになる。さらに、高級から中級・マス市場までフルラインに近い製品ラインナップがそろう。販売チャネルの相互活用などでシナジーも期待される。

ただ、実際に効果を生み出すには、販売業者への報奨金の配分や在庫負担が増える取引先への対応など、現地オペレーションに踏み込んだきめ細かい調整が必要になる。また、グローエの場合は「キャッシュフローが銀行の監視下に置かれ、投資などに制約を受ける可能性がある。安定的に収益が出なくなった場合、銀行に経営の主導権が移るリスクもゼロではない」(塩野氏)。

そもそも、内部成長という点では、リクシルはこれまで芳しい実績を上げていない。09年3月期に1兆円強だった同社の売上高は、13年3月期に1兆4364億円と4割強伸びている。だが、増加分は11年末までに買収した企業の売上高総計(買収時点、4124億円)が加わっただけにも見える。株式市場関係者の間では、藤森社長の経営手腕を評価する声がある一方、「海外買収については今後どういう経路で単純な足し算以上の効果を生み出すのか、まだ具体的に見えにくい」(SMBC日興証券の川島宏樹シニアアナリスト)といった指摘もある。

リクシルは投資家向けのテレビ会議で国内の製品担当者と外国人スタッフが半々で構成する大陸横断的なインテグレーションチームの構想を披露したという。また、10月から海外部門の執行責任者に、藤森社長と同じGE出身の上西健次氏をスカウトする人事も発表している。

今や住宅設備のコングロマリットとなったリクシル。11年の国内事業統合後、重複費用の見直しなどで3年間に1000億円以上のコスト削減効果があったと説明する。だが、海外事業はエリア展開でも品ぞろえでも買収企業同士で重複する部分が少ない。国内と同様の効果を生み出せるかは、まだまだ未知数だ。

http://toyokeizai.net/articles/-/21214



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ブログパーツ [ 2013年10月14日 10:10 ] カテゴリ:日本ビジネス | TB(0) | CM(0)
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