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アマゾンは、いつまで「利益ゼロ」なのか?

目まぐるしい新規展開はなぜ
アマゾンは毎日のように新規事業を発表している。
ネット教育サービスの会社を買収、ペイパルに対抗する決済サービスを導入、ニューヨーク州でワインの販売を開始、タブレット端末の新機種を発売、新たにコメディ番組3本の試作版を製作、ファッション部門でデザインコンペ発足、迅速な配送のためP&G(プロクター&ギャンブル)など仕入先にミニ倉庫を設置、という具合に。
だが、なかなか発表しないものがある。それは高水準の利益だ。
誰もそんなことは気にしないのかもしれない。2012年通期で損失を出し、2013年第3四半期でも赤字を見込まれながら、見事なことに株価は最高値に達している。
アマゾン株は2010年半ばの水準から2.5倍くらいに値上がりしている。そう言えばちゃんと利益が計上できたのは、あの頃が最後だった。言い換えるなら、純利益が減り始めたのと同時に、なぜか投資家に愛されるようになった。
「これは想定外」と、ベンチャーキャピタリストのウィリアム・H・ジェーンウェイは言う。「主流のファイナンス理論に反している。バブル以外でこんな高値になった企業はまずない」。
ベゾスの壮大な構想
誰もアマゾンがバブル企業だなどと言っているわけではない。それでもしかるべき利益を計上するのはいったいいつだろうか、あるいは、本当にいつか計上できるのだろうか。今年、アマゾンの売上高は750億ドルに達すると予想されている。
しかし、創業CEOのジェフ・ベゾスがどんな市場を目標として掲げているのか考えてみると、それはささやかな金額だともいえる。『イノベーション経済における資本主義の実践』を著したエコノミストでもあるジェーンウェイによると、ベゾスが目指すのは「無限の市場なのだ。地球上のあらゆる消費者との取引、おそらく企業間の取引も含めて」。
そんな市場を構想するのなら、利益はかえって邪魔になるだろう。アナリストのベネディクト・エヴァンスはこう指摘する。
「ベゾスは今から20年後にアマゾンが地球上最大かつ最強で、最も業績のよい小売業となるように運営していくという道を選んだ。今、利益を出すように経営することならバカにでもできる」。
ビジネスモデルの常識は
安売り業者はいつまでも安売り業者だろうという見方もある。いろんな形態の取引や技術を採用しても、社業はあくまでも基本的な商品を安く売ることにあるという意味だ。アマゾンで買おうと他社で買おうと、本は本、紙おむつは紙おむつなのだから。
アマゾンは配送料も安いことで知られ、顧客サービスの面で優れている。多くの利益を出すためには、低価格も含めてそういう条件を改める必要があるはずだ。だがそれでは顧客離れが始まり、これまでの売り上げ倍増の勢いに歯止めがかかるかもしれない。しかも投資家に利益計上をせかされるかもしれない。
そんな道はたどらないほうがいいと、BGCパートナーズのアナリスト、コリン・ギリスは言う。「物を売って儲けるより、物を売って儲けないほうが簡単」。
めくるめく新規事業の展開は、小売業における現実から目をそらすための方便なのかもしれない。たとえばテレビ用のセットトップボックスでネットフリックスと直接対決という発表が今にもありそうだし、スマホ開発中というウワサも絶えない。
商品を仕入れて薄利で売っているアマゾンが、その逆にマージンを大きくするといった転換を図るようなことは、「ありそうにない」と調査会社アシムコのホレス・デディウもみる。ビジネスモデルはそんなに簡単に変えられるものではないというのだ。たとえばマイクロソフトは財力も能力もありながら、PCからモバイルへと戦略を転換できなかった。
安さの魅力はいつまで
アマゾンに関する議論はバブル期の1999年にもあった。当時も会社の目標は、急速な成長を遂げて次々と新しい市場に一番乗りすることだった。だがバブルははじけ、無限の可能性をめぐる話は立ち消えとなり、利益が重視されるようになる。2001年にベゾスは「扱う商品を厳選し、儲かる商品しか売らないようにする。1箱13キロのくぎの箱は適さない」と述べて投資家たちをなだめた。
だが、あれは過去のこと。今はまたアマゾンで1箱4000本入りのくぎが買える。重さは約17キロで送料無料だ。もっとお得な例もある。価格3万2329ドル、重量570キロのクッキー製造機も送料無料。ただし今は品切れ中なので、アマゾンを通じて同じ商品をシカゴの業者に注文したとすると、送料2600ドル近くを請求される。
そのシカゴの業者、コマーシャル・フード・サービス・エクイップメント社のヒョ・リーに言わせると、「アマゾン経由の場合、販売価格と送料に対してアマゾンにコミッションが支払われる。だからアマゾンの売上高は2010年の340億ドルから2012年の610億ドルへと増えた」。
それでもアマゾンは国内各地に倉庫をたくさん建て、大勢の人を雇っているからには、「固定費が発生するため、送料を上げざるをえないだろう」とリーは語る。
いつまでも続けられるはずはないという見方だ。「まいた種は刈らねばならない」と、フォレスター・リサーチのジョージ・コロニーも言う。「値上げする以外に方法はないと思う」。
こっそり方針転換
すでにそれは現実になり始めている。あまり気前がよくなくなったと、一部の顧客の不興を買いながら。
たとえば以前、年会費79ドルのプライム会員になると、商品1点につき追加料金3ドル99セントで翌日配達が約束されていた。ペリー・デントンという名の顧客は、芝刈り機を購入するときにそのサービスを利用した。「3ドル99セントで翌日配達してもらえた。申し訳ないような気もしたが、とにかく芝刈り機が必要だった」と、アマゾンのフォーラムへの投稿に記されている。
しかしこの夏、商品のサイズや重量によって翌日配達料も変更されるようになった。最低料金は2ドル99セントだが、たとえば芝刈り機ローンボーイは送料25ドル。それでもお得な料金とはいえ、以前の3ドル99セントにはかなわない。
アマゾンのフォーラムにはプライム会員が不平不満を並べている。「年会費は変わらず、サービス低下」という書き込みもあった。方針変更をなぜ発表しなかったのかと問う声もある。
アマゾンの広報に聞いてみると、変更したのは確かだが、年会費は据え置きで、映画やテレビ番組4万1000本が見放題といった特典を拡充しているという。10月にゴーサインの出た新番組の試作版3本も、プライム会員は無料で見られる。
一説によるとビデオストリーミング配信でアマゾンは年間10億ドルの損失を出している。
客の心をつかんで放さない
小売業者に所有データの利用法を指南するテルアパート社CEOのジョシュ・マクファーランドは、ある日、20ドルのサンダルをアマゾンで購入したという。その後、もっと気に入った商品を見つけたので、アマゾンへは返品しようと思ったところ、返品しなくても料金を払い戻すと答えてきた。
そんな太っ腹になれる業者はめったにいない。だが最近、アマゾンで同じような経験をしたという人たちはほかにもいる。要するに、気前のいい会社だということを来年まで覚えていてもらおうという、長期戦略なのだろう。
「アマゾンは私が抱く期待値を上げていくことにより、いずれ私が何もかもアマゾンで買うようになることをもくろんでいる」とマクファーランドは分析した。「そのうちアマゾンには競合相手がまったくいなくなる。すると比較対照するものを失った私は、たとえ値上げされても気がつかないだろう」
http://toyokeizai.net/articles/-/22831
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