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日立が英国で金メダル級の快挙! がんばれニッポンの鉄道車両!!

2016年以降、英国で走行する高速鉄道車両イメージ図 CG提供:日立製作所
鉄道輸出額の日本記録更新! 英国で高速鉄道車両を受注
世間はロンドンオリンピックの話題で持ちきりですが、開幕に先立つ25日、英国と歴史的大契約を勝ち獲った企業があります。
その企業とは日立製作所です。特別目的会社のアジリティ・トレインズ社を通じ、英国の主要鉄道幹線である「イースト・コースト本線」「グレート・ウエスタン本線」(路線距離約1000km)を走る、高速鉄道車両596両(!)の正式受注に成功したのです。
実はこの契約、09年2月に日立が優先交渉権を得ていたのですが、10年2月に英国総選挙への影響回避のため凍結されました。昨年3月から交渉が再開して、ようやく最終契約が確定しました。ヒヤヒヤしましたが、審議でも判定が覆らなかったのはラッキーでした。
約30年間に及ぶ保守事業も付いて、総事業費は45億ポンド(約5500億円)。これは英国鉄道史上最大規模のプロジェクトであり、日本の鉄道輸出額での新記録です。まさしく“金メダル級の快挙”と言えます。
英国は鉄道発祥の国です。1825年9月27日、ストックトン・アンド・ダーリントン鉄道で「ロコモーション号」が600人の乗客を乗せて、19kmを約2時間かけて走ったのが最初でした。
その鉄道が海を渡って日本に最初に敷設されたのは47年後の1872年(明治5年)、英国の技術指導の下に品川-横浜間が開業しました。10両の蒸気機関車はもちろん全て英国からの輸入でした。
それが140年の時を経て、596両もの最新鋭車両を返すことになろうとは(実際には現地工場で製造されるとは言え)。2018年以降、さらに追加で500両を受注する可能性もあるとのこと。これが実現すれば蒸気機関車10両を輸入してから「150年後の100倍返し」になります。
ちなみに、日立は2009年にも英国に鉄道車両を納入しています。「サウスイースタン本線」を最高時速200㎞/hで走る、高速鉄道「クラス395電車」です。この鉄道車両には「オリンピック・ジャベリン」の愛称が付いており、まさに今オリンピックを観戦する乗客を乗せて大活躍しています。
鉄道は人々に愛される乗り物です。日本の鉄道が外国で採用されるのは、日本人としてとても誇らしく、嬉しいことです。しかし、日本の持てる優れた鉄道技術の割には、世界での採用事例は多いとは言えません。
世界の鉄道業界にはボンバルディア(加)、シーメンス(独)、アルストム(仏)の「ビッグ3」が立ちはだかっていて、日本の車両メーカーは束になってかかっても規模では勝負になりません。
そこで「技術で勝負!」というわけですが、それにも色々と、克服しなければならない課題があるようです。
日本の鉄道をもっと世界に! クリアすべき課題とは
日本の車両メーカーは長らく日本の鉄道会社(JRなど)の要望に応じた車両を造ってきたのでお手のものかとも思うのですが、そうばかりでもないようです。
例えば昨年、高速鉄道の安全基準策定を進めていた米連邦鉄道局が、川崎重工(7012)や日本車輌(7102)など世界主要鉄道メーカー9社に13項目の安全基準案を示してきました。
それは「停車中の貨物利列車と時速35㎞/hで衝突しても乗員乗客が生存できること」「重さ18トンの鉄製コイルを積んだトラックに衝突しても運転士が生存できること」「重さ6キログラムの鉄球が運転席に衝突しても貫通しないこと」などで、それを知った日本企業は一様に戸惑ったコメントを出していました。
そもそも日本の鉄道は衝突する前に停止するよう、信号技術などで何重にも安全対策が取られているので、そんなワイルドな危機を想定する必要がないからです。対応しようとすれば車体も大きく重くなり、燃費も悪くなります。
それでも発注元が「そうじゃないと安心できない」と言うなら、それに応えるのがものづくりです。本気の川崎重工(7012)は、ちゃんと衝突安全基準をクリアするための開発を進めているみたいです。さすがです。
逆のパターンもあります。日本の鉄道は安全性を極限まで追求するあまり、高額です。これは専門家の方に聞いた話ですが、安全性を96%で良とするならそこそこの価格でできるが、100%に近づけようとする残り3.x%のコストで価格が倍額近くに跳ね上がってしまうのだそうです。
すると「安全性は96%で十分。節約できた分を万一の補償金に充てるほうが効率的だから」と言う国もあるそうです。日本では「えっ!?」となる話ですが「顧客ニーズに応じて安全性96%の車両を売ることも必要ではないか」と、その方はおっしゃっていました。
もちろん、深刻な列車事故が起これば製造国として評判が落ちるわけで、安かろう悪かろうな車両を輸出しろと言うのではありませんが。
世界のライバルは超大企業 日本企業は団体戦で勝負だ!
鉄道の受注には「DBOM」という要件があります。Dはデザイン(設計)、Bはビルド(製造)、Oはオべレーション(運行)、Mはメンテナンス(保守)のことです。
これから本格的に近代的な鉄道を敷設していこうという国では「車両だけでなく運行や保守管理についても協力して欲しい」という要望があります。アルストムやシーメンスは鉄道会社との関係が密接で、DBOMの一括受注を得意としています。
ところが、日本の車両メーカーには運行と保守のノウハウがなく、それに応えようと思えば鉄道会社(JRなど)の協力が不可欠です。が、鉄道会社にはあまり海外進出に乗り気なところはないようで。このあたりを上手に取りまとめるスキームが欲しいところです。
成功例は「台湾高速鉄道」(00年・受注総額3320億円)で、川崎重工、東芝、三菱重工、三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事が「7社連合」としてタッグを組み、日本車輌、日立製作所、京三製作所、日本信号、東芝プラント建設、新日鉄など多くの日本企業が関わりました。運行ノウハウはJR西日本とJR東海が協力しました。
今年5月には川崎重工と東芝が、台湾高速鉄道から「700系新幹線」ベースの車両4編成48両を受注(受注総額190億円・推定)しましたが、これは00年の納入実績が評価されたということです。いい関係を築くと、後々ビジネスがつながるのですね。
もう一つの成功例(受注競争に勝ったという意味で)は、ドバイの「ドバイメトロ」(09年・当初3000億円)で、三菱商事、三菱重工、大林組、鹿島建設、Yapi Markezi(トルコのインフラ企業)の企業グループが受注しました。車両は近畿車輛製、受配電設備は明電舎が納入しています。
成功例にカッコをつけたのは、度重なる設計変更や追加工事、支払い遅延などで一部企業が損失を出してしまったからです。日立が受注した英国高速鉄道も一時凍結があったように、巨額かつ長期に渡る事業ですから、受注する企業にとってもリスクがあります。ブレに耐えられるだけの規模や財務上の体力が求められます。
ちなみに完全な失敗例は、中国高速鉄道です。川崎重工が「はやて」ベースの車両を納入し、JR東日本が運行ノウハウを提供したところ、技術をパクられたばかりか「我々が独自技術で造り上げた」とか言いたい放題言われ、追突脱線事故の責任まで取らされそうになりました。売り込む相手は選ばなくてはいけませんね。
トップセールスにも期待したいが こうもコロコロ交代しては…
多くの国で鉄道事業は国家プロジェクトです。相手は相手国の政府や省庁なわけですから、渡り合う企業としても国の後押しやお墨付きが欲しいところ。フランスのサルコジ前大統領や韓国の李明博大統領は、モーレツなトップセールスで自国の鉄道を売り込み、成果を挙げてきました。
日本も!と思うのですが、ここ数年は、麻生総理、鳩山総理、前原国交相、前田国交相などが諸外国にアピールしてくれたものの、次の機会が訪れる前に辞職しているので継続しないのが残念です。
鉄道建設には多額の費用がかかるので、どこも財源確保には苦労します。資金面での支援は強力な援護射撃になると思われます。
例えば「STEP付き円借款」は、本体契約額の30%以上は日本の技術を活用することを条件に、資金援助を行う制度です。インドの貨物専用鉄道建設計画や、ベトナム・ホーチミン地下鉄の高架土木工事にこのスキームが活用されました。
あるいは、日立が受注した英国の高速鉄道プロジェクトでは独立行政法人・日本貿易保険(NEXI)が、東京三菱UFJ銀行やみずほコーポレート銀行など邦銀5行に対して「海外事業資金貸付保険」の引受元となり、資金面で後押ししています。
原発が輸出しづらくなってしまった以上、これからは鉄道が日本のインフラ輸出の柱になってくれたらと思います。では「鉄道輸出関連株」にはどんな企業があるのか、見てみましょう。
鉄道輸出関連株のまとめ! “鉄分”の多い銘柄を探せ
車両メーカーが中心になります。英国で高速鉄道車両を受注した日立製作所はスゴイのですが、何せ大きな会社です。鉄道関連分野の売上高は信号運行系システムと車両海外保守を合わせても1330億円で、全体の売上高(9兆1000億円)に占める割合だと1.5%程度に過ぎません。

海外への売り込みでは川崎重工が最も熱心に見えます。米国市場には1979年から進出しており、ニューヨーク市営地下鉄やロングアイランドを走る通勤車両は、同社のネブラスカ州工場などで造られたものです。売上高に占める鉄分(鉄道車両関連の割合)は10.2%と大企業の中では高め。今後は時速350kmの海外向け新型高速鉄道車両「efSET(イーエフセット)」がどこに採用されるのか楽しみです。
もっと鉄分を高めにということであれば、車両製造の専業メーカーがいいでしょう。近畿車輌は近畿日本鉄道(9041)のグループ会社で、西日本旅客鉄道(9021)とも業務提携しています。同社の鉄道車両は、米国、香港、フィリピン、ドバイ、エジプトで活躍中。業界第3位ですが専業メーカーだけあって、鉄分は約98%。鉄道関連株相場が来たときの感応度は文句なしです。
もう一社、上場している鉄道車両メーカーには日本車輌製造があります。こちらは東海旅客鉄道の子会社で、国内では新幹線の総製作車両数No1企業として知られています。海外では7月20日に米イリノイ州に初の海外拠点となる工場を立ち上げ、生産を開始。米国では2階建て客車が親しまれており、また南米ではベネズエラ、ブラジル、アルゼンチン、アジアでは台湾、フィリピン、シンガポール、タイ、インドネシアで通勤電車が活躍しています。

鉄道関連株相場がきた時によく反応する銘柄としては、日本信号)、京三製作所、大同信号の信号機メーカー、車両ブレーキやホームドアなどのナブテスコ、パンタグラフや駆動装置の東洋電機製造などがあります。
鉄道関連分野の売上比率はそれほど大きくはありませんが、車両関連の重要な技術を持つ企業としては、東芝、三菱電機)、富士電機、三菱重工、曙ブレーキなど。ほかにも電鉄用変電設備の明電舎、車内や駅舎の装備ではオムロン、森尾電機、小糸製作所、などがあり、裾野の広い産業であることがわかります。
海外の鉄道プロジェクトを受注する際には、こうした企業群をまとめてコンソーシアムを組みますが、幹事役は、伊藤忠商事、丸紅、三井物産、住友商事、三菱商事など商社が担当することが多いようです。
鉄道関連の事業は動く金額は大きいのですが、落札から納品までに、長い期間がかかります。ところが相場はその時々の旬を追いかけるのが好きで、そこまで気長には付き合ってくれません。鉄道関連株を買うのなら「いつか動き出すだろう」と待つのではなく、発車ベルが鳴ってからご乗車されることをお勧めします!
(diamond.jp)
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